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2007年1月23日 (火)

「雪・月・花」展 細見美術館

細見美術館で開催されている「雪・月・花ー雛かざりとともにー」展に行って来た。

Imghosomi2「雪月花」という言葉は、万葉集で大伴家持が歌題で

「雪の上に照れる月夜に梅の花折りて送らむはしき子もかも」

とこの三者を取り合わせたに始まり、徒然草にあるように、白楽天の

「雪月花時最憶君(せつげつかのときもっともきみをおもう)」

という詩の一節により、古来より我国の自然を表す言葉としてまた日本人の美意識を象徴する言葉として使われて来た。

この「雪・月・花」にちなんだ細見美術館の名品を展示している。

入館してすぐ目につくのは、春へのしつらえとして「源氏枠雛かざり」。
緋毛氈の上に華やかに飾られている。我家は男の子ばかりなのでお雛様には縁がない。久し振りにじっくりと見た。なかなかいいものである。

Imgume2Imgtake2「雪」の項に関して目についた作品は

「雪中竹梅小禽図(2幅)」 鈴木其一

竹に積る雪は白く重たげに竹を押し下げる。
それに耐えかね、竹は大きく跳ね上がろうとする。その突然の動きとザーッと雪の落ちる音に驚いた雀が二羽飛び立とうとしている。雪と竹の緊張感がこの絵を引締めている。
意識的に竹の葉に積る雪を厚く誇張することで雪の持つ重さを強調し、次に起るであろう動きの大きさを感じさせる。

梅の枝に吹き付けられて積る雪、その風がやみ、まわりは凛とした寒さに包まれる。雀が一羽凍え付いたかのように小枝に止まっている。その寒さのなかに、雪の白さと対比して赤い梅の蕾が雪の中で膨らんでいる。厳しい冬、すぐ側まで来ている春。この二つの季節を対比させる事でこの絵に時間的な深さを感じさせる。其一ならではの優品である。

「雪中雄鶏図」 伊藤若冲(画像は無し)
若冲の鶏。雪の中に鶏を置く事で、雄鶏がより鮮やかに見える。いつもながら周りの竹は折れ曲がりねじれている。しかし、雪の描き方は他の若冲の絵から見れば不自然。鶏の描き方もかたい。目にも力が無い。若い頃の作らしい。若冲ワールドのかかりの絵。

Img_9401「月」の項。
「月に梅下絵和歌扇面図」 俵屋宗達・本阿弥光悦
宗達の絵に光悦が和歌を書いている。
「くもれかし なかむるからに悲しきは つきにおほゆる人のおもかげ」
今でこそ、金銀がくすんで落ち着いた感じになっているが、作られた時には金と銀が大胆にデザインされており、きらびやかなかんじであったろう。我々が思っている以上に桃山から江戸にかけての絵画は色彩豊かで派手なものであったと思う。
扇面もすばらしいが、この軸の表装がまたすばらしい。灰緑の下地に茜と茄子紺、小豆色の縦三色。後年に作られたものだろうが、この扇面によくあっている。軸全体として美しさを見せている。

その他、北斎の「夜鷹図」、中村芳中の「月に露草」「月に萩鹿」等

「花」の項には、チラシにもある酒井抱一の「桜に小禽」と、息子の酒井道一の「桜に白鳩」が対にして展示してある。抱一の方は何も見た絵だが、道一の絵は初見。
幹のたらし込みとか、花の繊細さとかはよく似ている。多分最初から2幅としては描かれてなかったと思うが、こうして並べてみると違和感はない。まるで抱一が両方とも描いたように思える。

「花」のところで絵画ではないが、漆器で「藤蒔絵提重」があった。30㎝位の提重だが全面に藤を平蒔絵してあり大変美しいものであった。黒漆が輝き、こんなんに料理をいれたらどんな料理もおいしかろう。

今まで、何度も見たものが多く、目新しものはすくなかったが、このように「雪月花」というテーマをもって見直すと、また面白いものである。
また、絵画だけでなく色々なものが展示されており楽しめる展覧会であった。

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