« 「富士と桜」 えき美術館 | トップページ | 「揺らぐ近代」京都国立近代美術館 »

2007年1月28日 (日)

「与 勇輝 人形芸術の世界」展

高島屋の7階で開催されている「与 勇輝 人形芸術の世界」(アタエユウキ)へ行って来た。
今まで何度かこの作家の人形は写真等で見ていた。
大正から昭和位にかけての子供達の世界を丁寧に表している。
私の子供の時代とは異なるが、何故か懐かしさとほのぼのとした感じを抱く世界である。
今回、パリのバカラ美術館で個展を行い、非常に評判がよかったらしい。
やはり、「子供の世界」というのは世の東西にかかわらず同じようなもの。皆、共通の懐かしさを覚えるのだろう。

Imgkodomo子供の表情は、鼻が少し上向きで、目と目の間が離れている。昔の子供のスタンダードな顔つき。
この頃、このような顔つきの子供を見なくなった。賢そうな子供?ばかりになってしまった。

それに子供が働いている姿の人形が多い。昔は子供も貴重な労働力だった。今は生活が便利になり、大人達の手間も省けたと同時に、子供達が働くことがなくなった。その分、働く事(手伝う事)で身に付けていた人間としての大事な知恵を学ぶ機会を無くしている。

見ていて驚いたのは、人形がみな自立している事。約30〜40㎝位だがバランスよく自立している。
衣装や小道具も丁寧につくられており、作家の人形に対する愛情を感じさせられた。

Imgozuもう一つのシリーズに映画の小津安次郎の作品に登場して来る人物の人形があった。

「東京物語」の笠智衆や東山千栄子、そして原節子。「長屋紳士録」の小沢栄太郎等。
顔がそんなに似ている訳ではないが、雰囲気はよくでている。

小津監督の作品はいくつか見て来たが、映画の画面をこのような人形でみるとちょっと変な感じがする。
小津作品のあの独特な画面を思い出し、低い位置から眺めるとよりリアルな感じがする。

しかし、この人形達は小津作品の家族への愛情とか、人情味とか人間の情の微妙さをよく表している。
また、小津の映画が見たくなった。

上の人形は、その小津監督をモデルにしたもの。写真でしか知らないが、こんな感じの人だったのだろうなと思わせる。

「人形」は今まで、本能的に何故か怖い感じがしていた。どんなに優しそうな人形でも、目が合うことは自然と避けるようにしてきた。
しかし、今回の人形はそのような事も無く、じっと見る事で、我々が無くして来た何か大事なものを思いださせるような力を持っていた。

*「与 勇輝 人形芸術の世界」展
 京都高島屋グランドホール(7階)
 平成19年1月6日〜1月29日

|

« 「富士と桜」 えき美術館 | トップページ | 「揺らぐ近代」京都国立近代美術館 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/95018/5118435

この記事へのトラックバック一覧です: 「与 勇輝 人形芸術の世界」展:

« 「富士と桜」 えき美術館 | トップページ | 「揺らぐ近代」京都国立近代美術館 »