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2007年2月20日 (火)

「Collection4」 国立国際美術館

2階ではもう一つ美術展がある。国立国際美術館の所蔵作品による常設展「Collection4」。今回の常設展は戦後の日本絵画界の主要な動向示す作品の展示。アンフォルメル(抽象)運動やアンチアート運動等の作品があったが、良かったのは戦後の版画についての展示。浜口陽三、浜田知明、駒井哲郎、吉原英雄、池田満寿夫、野田哲也の代表作が並んでいた。
ここで、こんなけ大量の版画が見られるとは思ってなかったので、得した気分。
個人的にもこの時代の版画は好きなのでよく見ているし、また集めている。

Imgikedaそんな中から、お勧めのものを。

これは池田満寿夫の「ヴォーグから来た女」(1966年)
イタリアのヴィネッチア・ヴィエンナーレで大賞をとった作品群の内の1枚。
60年代の池田満寿夫のドライポイントの作品は魅力的だ。自由奔放で瑞々しい感性にあふれている。
描いても描いても駄作はなく、描けば描く程良くなっていく。

作家にはこういう時代があるのだなぁ・・・・
同じ時代に生きて来たものとして、この感覚は肌で感じる事が出来る。
(このように書くと70年代以降の作品がつまらなく思われるが、それは私の好みではないだけ!)

Imghamadaこれは浜田知明の「狂った男」(1962年)

浜田知明は大正生まれの作家だが、戦後は戦争の悲哀と不条理を描いた作品を描き、その後は人間の不条理や心理の深層をえぐる作品をつくっている。

描かれる顔はおかしい表情をしているが、その裏には深い人間の「業」のようなものが感じられる。
最近は、版画から彫刻の分野へ向かい、新しい表現を試みている。

その他のものとしては、画像はないが、小林孝亘の一連の作品に惹かれた。
「FOREST」という作品は、東山魁夷の「道」の森版で、森の木々のところどころが木漏れ日でぼーっと光っている。その真ん中を、道が真っすぐ見え隠れしながら続いて行く状景。木々の葉の緑が明るい色調で描かれていた。

また、同じ作者のタクシーやトラックの夜の後ろ姿を画面いっぱいに淡い色調で描いてある連作もよかった。

この作者は、緑の中の光る木漏れ日やバックライトの赤い光に何を託しているのだろう?この疑問が絵をより印象的なものにしている。

国際国立美術館。建物も面白く、また美術展も多種多様なものが企画されており、楽しめる美術館である。ただちょっと気になるのは、京都近代美術館とその所蔵品においてかぶっているものがある点。この辺の位置付けが見ている側としてははっきりしない。

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