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2007年2月28日 (水)

滋賀県立近代美術館「常設展」

大津へ遊びに行っていて、「どこかでお茶でも?」という誘いに、「そうしたら近代美術館で」という話になり、滋賀県立近代美術館へ行った。
滋賀県立近代美術館は瀬田の山側の文化ゾーンにあり、日本庭園に囲まれた郊外型の美術館である。
駐車場から美術館へ行く途中、日本庭園の池の周りに梅が満開で咲いており良い香りがしていた。
美術館は、真ん中に大きな中庭があり、光があふれていて気持ちが良い。

午後のしばらくの時間、明るい光の差し込む美術館を見ながらとりとめの無い話をして時間を過ごす。
やがて話も終わり、いっしょにいった方々は庭に散策にいくという。
その間、別れてこちらは美術館を見る事にする。
今、館内では特別展「志村ふくみの紬織りを楽しむ」を開催しているが、時間的に無理なので常設展のみを見る事にする。常設展は「人物の表現ー近代日本画・郷土ゆかりの作品」と「現代美術第3期 世界を数える」の二つの展示。そのなかで良かった「小倉遊亀コーナー」について。

小倉遊亀は明治28年大津に生まれ、安田靫彦に師事し、女性特有の澄みきった色調の人物画や静物画の作品を多く残し、平成12年105歳で亡くなるまで絵を書き続けた。

今回展示されているのは、昭和3年の作品から亡くなる直前の平成12年の作品まで13点。
時代順に見て行くと、驚く事に歳を取るに連れて筆の勢いが強くなる。最晩年の作品が最も勢いがかんじられた。これが100歳を越えた人の絵かと感嘆する。

Imgyuki1これは昭和39年の「兄弟」。

この頃の絵は家族や兄弟等を題材に、微妙なデフォルメと太い線描によりそれまでの日本画とは異なった雰囲気をだしている。色調も明るく、昭和30年代の「戦後は終わった」と言われた時代の勢いのようなものを感じさせる。

この時代の小倉遊亀は変に伝統的な日本画にとらわれず、新しい感覚で時代を映す日本画を、何のてらいもなく描いている。今の時代から見て懐かしい画風であり、また新鮮な感じがする画風でもある。

ちょっと太り気味の母親とおかっぱ頭の子供達、家族の健康的な美しさは女性の画家でならではの観点であろう。

Imgyuki2これは昭和40年代に描かれた「観自在」。

この頃からの小倉遊亀の作品を見ると、画風が更に変わって来た事がわかる。流れとしては今までの延長線だが、線はより自由になり、表現はより簡素になっていく。

この時代、年齢としては約70歳代。年齢を感じさせない若々しい絵であり、瑞々しい感性が冴えている。画題も静物や観音菩薩等今までと違った分野に広げている。

観自在菩薩の裾模様の柔らかな表現、手に持つ蓮の花のあでやかさ、落ち着いた色調の中にも艶かしさを感じさせる一枚である。

最後に平成12年亡くなる前の作品があったが、そこに描かれている椿の花の美しさと線の強さには感心した。

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