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2007年2月10日 (土)

シンポジウム「日本画の変貌」

京都国立美術館で開催されている「揺らぐ近代」、そして堂本印象美術館で開催されている「堂本印象の挑戦」との関連企画として「日本画の変貌」と題するシンポジウムが立命館大学で開催された。

Imgsimpo「揺らぐ近代」が面白かったので、もう少し詳しく知りたいと思いいそいそと出かけた。

立命の衣笠キャンパス、子供が通っている所だ。行ってみて改めてその設備の立派さに感心!(学費を払っている身としては、ちょっと複雑な心境)

シンポジウムは明治以降の近代美術の動きをたどり、そのなかで伝統の世界から抽象画へと戦後に切り替わった「堂本印象」の軌跡を見直すというのがねらい。

まず、基調講演として美術評論家富山秀男氏の「日本画の近代化」から始まった。

この講演がよかった。富山氏は京都近代美術館、東京国立近代美術館、ブリヂストン美術館の館長を歴任されたかたで、京都画壇、東京画壇(?)にも詳しく戦後の日本画の状況について詳しい説明がなされた。特に日本画における抽象という概念について、同じ作家の50年代の作品と60年代の作品を並列してその違いを説明されたのは良かった。東山魁夷、徳岡神泉、奥村土牛等の変遷に加え、現代日本画の浅野 均、内田 あぐり、菅原健彦、斉藤典彦、奥村美佳、町田久美の作品についても紹介があった。

Imgmatida現在、西洋絵画および日本の洋画は抽象から具象への動きが見られるが、日本画はこれに逆らうように具象から抽象への動きが見られる。富山氏によるとこれからの日本画は面白くなるそうである。(左図は町田久美氏の作品)
確かに最近の日本画を見ていると今までの日本画の概念から外れたものが多い。しかし決してそれは西洋画に近づいて行くというものではなく、新しい絵画へ向かっていると感じられる。

続いて、次のテーマについて各パネラーによる講演が行われた。
・「近代日本画の成立」古田亮(東京芸術大学大学美術館助教授)
・「京都画壇の日本画近代化と印象」(立命館大学文学部教授)
・「”別の芸術”としての日本画」(鳥取県立博物館美術振興課長)

各パネラー共熱心に説明されるので、予定の時間を大幅に過ぎ、シンポジウムの一つの大きなテーマである「堂本印象」についてまではなかなか説明が進まなかったが、明治以降の日本画の変遷と、現在の状況を確認するには有意義なシンポジウムであった。

この様なシンポジウムとか講演会に行って感心するのだが、今回も廻りを見回すと高齢の方々(少なくとも外見が60歳以上の方)が約7割程。あらためてこの年代の方々の知識欲に驚かされる。

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