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2007年2月27日 (火)

滋賀県立琵琶湖文化館「常設展」

大津のなぎさ公園の湖岸にお城の形をした建物がある。この建物が「滋賀県立琵琶湖文化館」。ここは滋賀県の神仏関連の美術品を展示する博物館となっている。

Img_9642昔は琵琶湖の魚等を飼っている水族館も併設されていたらしいが、今は水族館は草津の「琵琶湖博物館」へ移っている。そのためここを訪れる人も少なくなっている。滋賀県は、古代から交通の要所として栄えただけに、色々な文化の伝搬もされ、多くの文化財が残っている。
この文化館にも隠れた名品が多くある。それに、ここの企画展は見応えのある内容が多い。見逃せない文化スポットのひとつである。
大津へ行く用があったので、少し早く出て「琵琶湖文化館」に寄って来た。

この時期は常設展だが、その中から面白かったものをいくつか。

Imgkomainu1一階は仏画、仏像が中心だが目についたのは、「狛犬」。
神社に行くと必ずいる狛犬(神社に寄っては狐、猪、鼠等の場合もあるが)。しかし、博物館や美術館で見る事は少ない。中には、いかにも古そうなものもあり、表情も種々あり、眺めていてあきない。
これは滋賀県白髭神社の狛犬。鎌倉時代の作とされている。
虫に食われた部分もあるが、大きく張った胸、がっちりとした体躯、威嚇する面相、力強い「狛犬」である。

そもそも「狛犬」は、無角開口の像を「獅子」、有角閉口の像を「狛犬」とする。そして、何故だか知らないが現在はこの一対をもって「狛犬」と称する。
古来、印度や中国の仏像の台座には、2匹の獅子が置かれていた。これは金剛力士像などと同様に、仏を守る役割をもっていた。飛鳥時代に我国への仏教伝来の過程において、そこに朝鮮渡来の犬である「高麗犬」が角をはやして紛れ込み、最初舞楽の獅子舞にあらわれた。平安時代になってそれが守護獣の置物として宮中の高貴な人の簾を押さえる鎮子としてつかわれるようになり、やがて神社の守護獣とされるようになった。

Imgkomainu2よって、「狛犬」は、神代の時代から神社を守っていた訳ではなく、神仏習合が盛んとなった、平安時代中頃位から神社に座るようになったらしい。
しかし、平安・鎌倉時代の「狛犬」は残っているものは少ない。

これは、滋賀県不動神社の石作りの「狛犬」。桃山時代の作とされている。
鎌倉時代の「狛犬」と比べると、表情はおとなしい。おとなしいというよりも剽軽な感じがする。たてがみも波打つわけではなく、ストレートでおかっぱ頭風である。
「狛犬」も時代とともにその表情を変えている。
その他、仏画としては西明寺の「仏涅槃図」、市神神社の「弁財天像」「天神像」「稲荷大明神像」等の軸が面白かった。

2階は「近江の画人」と題して近江で活躍した海北友松、円山応挙、曾我蕭白、紀楳亭、長谷川玉峰、山本春挙等の作品が展示してあった。
その中では、曾我簫白の「比叡山図」、紀楳亭の「大津絵図」が近江の絵らしく良かった。

最上階からは琵琶湖そして比叡山が展望できる。いつも京都側から見ている比叡山とは異なり、滋賀県側からは、なだらかな山並が目新しい。

*「近江の画人」(テーマ展)
  滋賀県立琵琶湖文化館
  平成19年2月14日〜3月30日

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