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2007年2月17日 (土)

二条城障壁画

家から歩いて10分で二条城の堀に着く。そこから正門に向かっても15分。こんなけ近いと中に入る事はめったにない。
その二条城に昨年新しく築城400年記念として、収蔵館ができた。そこで障壁画の展示がされているので、何年ぶりかに行って来た。

Img_9572堀川通りに面した東大手門からはいる。入った所にある番所には昔ながら侍姿の人形が入ってくる人々を見張っている。
そのまま玉砂利の道を二の丸御殿へ行く。二の丸御殿の唐門の彫刻を見上げる。見事な彫刻である。鶴や龍など細かい所まで丁寧に彫られており、損傷も無い。将軍の威光を示す豪華な門である。
二の丸御殿の中は、障壁画の保存のため、障子が閉め切られており、薄暗い。そのため画ははっきりとはわからない。昔にもここへ画を見に来たが、距離も遠く、薄暗いため細部までは見られなかった。今も同様。
観光客も少なく、鶯張りの廊下がキュッキュッと鳴り響く。時々驚かすように、案内のテープが話し出す。
見にくい状況の中で見て行く障壁画の中では、大名達の控えの間である「遠侍 虎の間」と黒書院の「牡丹の間」の画がよかった。狩野派らしい雰囲気が伝わって来る。しかし、余りにも見る条件が悪い。
二の丸御殿を出ると、外は雨が降り出していた。激しい雨ではなく、春雨を思わせる様な細かい雨が降っている。
近場とあなどって傘は持っていない。同じように傘を持っていない人の様子を見ていると、日本人と中国・韓国の人達は、じっと雨が止むのを軒下で待っているが、ヨーロッパやアフリカの人々は濡れる事をいとわず出て行く。国民性かなぁ。私は小降りになるのを待つ。
15分程待っていたが、止みそうにないので、庭の見学をあきらめて、収蔵館のほうへショートカット。
収蔵館は修復された障壁画の保存と展示のために東大手門の近くに新しく建てられていた。

Imgnijyoujyou1二の丸御殿の障壁画は、二条城が築城された17世紀初め、狩野探幽を中心とする狩野派一門によって描かれたもの。総数で1000面近くある。
狩野永徳が確立した桃山風の金箔と鮮やかな絵具で描く豪華絢爛な金碧障壁画を孫の探幽がその技法を引継いで製作したもの。この二の丸御殿の障壁画を描いたとき探幽は25歳の若さであったらしい。

初めてこの収蔵館を訪れたが、展示室はなかなかよく出来ている。大きさは京都博物館の1つの部屋位しかないが、全面ガラス張りで大きな障壁画を見るには最適な条件。
二の丸御殿からは雲泥の差で細かい所までよくわかる。

Imgnijyoujyou2今回の展示は大広間の「松鷹図」。
金箔の地に堂々とした太い松がうねるようにその枝をのばしている。その枝には緑あふれた松葉が茂り、あたりを睥睨するかのように鷹と鷲が描かれている。一匹の鷹は前方を睨み、もう一匹はその強力な爪で幹をつかみあたりを睥睨している。将軍の武士としての力を示すとともに、その部下である大名達を鼓舞するかのように、力強く雄大な絵である。その構成のすばらしさに感嘆する。
描き方を見ると、まず色を塗り、その上から、黒や白い色で輪郭を描いて行く様な方法であることがわかる。やはり大きな障壁画を描くには、狩野派独特の方法があることがわかる。あまり細部にこだわらず全体の色調、構成、そして絵を見るものの位置を重要視したのだろう。

今回の「松鷹図」は狩野探幽の作とされているが、一説には叔父である狩野山楽の説もあるらしい。

現在、京博で御所の障壁画が展示されているが、それは洗練された公家社会の中の障壁画。それに対して武家社会の中に描かれたこの障壁画は、題材、色調、構図の点で大きく異なる。この二つの障壁画を見比べるのも面白い。

今後、二の丸御殿の障壁画は膨大な時間をかけて修復と模写が行われ、その結果をこの収蔵館で順々に展示して行くらしい。
これでしばらくの間、二条城に来る機会が多くなりそうだと思いながら雨の中を家へ帰った。

*「築城400年記念 展示・収蔵館 第4期公開 松鷹図」
  元離宮 二条城
  2007年1月20日〜3月11日

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