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2007年6月21日 (木)

「法隆寺宝物館」 東京国立博物館

東京国立博物館へ行く楽しみに、「法隆寺宝物館」がある。明治11年法隆寺が皇室に献上した宝物(若冲の「動植物綵図」と同様に)の内、約300点が戦後国有となり、東京国立博物館に寄託された。その常設館として平成11年に「法隆寺宝物館」が建設されそれ以後常設で展示されている。

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内部は第1室が仏堂内の天蓋にかける「灌頂幡(かんちょうばん)」、第2室が「金銅仏」、第3室が「伎楽面」、第4室が「木・漆工」、第5室が「金工」、第6室が「染織」となっている。
この中で、「金銅仏」の部屋がすばらしい。6世紀から7世紀に造られた、30㎝位の飛鳥仏、白鳳仏が約40体ほど、独立した形で展示されている。実際には、部屋はもっと暗く、一つ々の仏に、天井と台座部分からスポットライトがあたり、仏達は空中に浮かんでいるかのように感じる。

Img_2677あれだけ多くの人がダ・ヴィンチの絵を見に訪れていたにもかかわらず、この宝物館まで足を伸ばす人は少なく、この広い部屋に4〜5人しか居ない。

この仏に囲まれた宇宙の中を彷徨っていると、本当に心が静まる。
何の気負いもなく、素直な気持ちで仏達と対面できる。
数ある仏像の中から、自分の気持ちに合った仏像を捜して歩く。

飛鳥、白鳳の仏像は優しい顔をしている。アルカイックスマイルといわれる微笑みをたたえ慈悲に溢れた表情をしている。
初めて仏像を見た飛鳥人がその魅力のとらわれて、深く仏教に帰依していった気持ちがわかる様な気がする。

止利仏師が造ったとされる「如来立像」「如来坐像」「菩薩半跏像」、白鳳時代の「観音菩薩立像」「阿弥陀如来像」等の多くの仏像の中から選んだのがこの仏像。
No.165とよばれる「観音菩薩立像」。目鼻立ちはくっきりとしているがその穏やかで福よかな表情に惹き付けられる。大陸風から一歩抜け出した日本独自の感覚が見られる像である。

Img_2674これは「摩耶夫人および天人像」。7世紀の作とされている。

4月8日に、釈迦の母である摩耶夫人がムユウジュの木の枝に右手を伸ばしたところ、腋から釈迦がうまれたという釈迦誕生物語を表したもの。

本館に現在展示されているダ・ヴィンチの「受胎告知」の仏教版。
どの宗教でも、その創始者は特異な誕生物語に飾られる。それを祝う天人達が舞っているのもまた同じ。

摩耶夫人の表情も、「受胎告知」のマリアと同様、驚くよりも喜びの表情に満ちている。

東と西に分かれていても、この様な物語を表す場合には何か共通する作者の心持ちが見られるのは面白い。

その他、金工の部屋には国宝の「竜首水瓶」があったり見る物にことかかない常設展示である。
考えれば、日本最古の作品が並んでいるわけで贅沢な内容である。

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コメント

 一人目の子供が生まれる前、「しばらくこんな所には行けないから」と大きいお腹を抱え、東京国立博物館へ行きました。(その頃は横浜在住でした)
 かなり頑張りましたが、全て回ることは出来ませんでした。
そんな時「東京」を感じます。

投稿: ごうやん | 2007年6月22日 (金) 09時32分

ごうやんさんへ
東京博物館、大きいですね。何回も行きましたが私も全部は見てないと思います。
日本を代表する博物館だけあっていいものをたくさんもってます。
常設展の内容を見ても、確かにこの博物館は「大東京」を感じさせるオーラがあります。

投稿: 好日 | 2007年6月23日 (土) 09時39分

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