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2007年8月10日 (金)

「六道参り」

京都のお盆は「六道さん」へお精霊(おしょらい)さんを迎えに行く事からはじまる。
お精霊さんとは、ご先祖さんの亡くなった霊のこと。これらの霊が東山松原を西に入った所にある「六道珍皇寺」にある井戸を通じて、お盆のこの時期この世に帰ってこられる。このお迎えの行事が「六道参り」。

京都の色んなお寺で精霊迎えの行事は行われるが、この「六道珍皇寺」と「千本えんま堂」が有名。
普段は静かなこのお寺廻りも、この頃になると大層な人で賑わう。

Img_3421お寺に入るとこの期間秘仏である「薬師如来」が開帳されている。平安時代の作であり、その優しそうな微笑みが気持ちを和らげる。
その隣には、「閻魔像」と「小野篁像」が並んでいる。

「小野篁」は平安時代の役人・学者であって、昼は役所に勤めていたが、夜は閻魔大王に仕えていたとされている。そして冥界に出入りする道がこの「六道珍皇寺」に残されている井戸。

よって、ここの井戸は冥界に通じており、その道をご先祖さん達は戻って来るとされている。

この篁像、閻魔さんに仕えていた人だけあり鋭い目付きをしている。しかしなかなか男前!

Img_7903それから、ご先祖さんの名前を書いた水塔婆を書いてもらい、それを持って「迎え鐘」を撞く。
毎年お迎えに来る人が増えるのか、この行列は延々と寺を出て、建仁寺のあたりまで続いている。

狭く暗いお寺の横の道に、多くの人達が並んでいる。しかしこれも行事のひとつ。
「去年はこんなに並ばへんかったねぇ?」とか「今年はまだ風があってすずしいね」とか言いながら、先に撞く人達の鐘の音を聞き、扇子をパタパタさして並んでいる。

やがて番が回って来る。ここの鐘は、曵いてならす。何故か皆さん二回撞く。ひとつめは小さめに、二回目は強く。「か〜ん、か〜ん」とご先祖さんに知らせる様に。

Img_7889本堂に参り、お蠟燭をあげる。

お蠟燭を頼むと、受付の人が大きな声で本堂に「大」、「小」とか伝える様子がおもしろい。
人によっては「大・大・小・大」とか続けてどなっている。

それから水塔婆を横の線香の煙を清める。
その水塔婆を持って、今度はお地蔵さんの方へ納めに行く。

石仏のお地蔵さんがずら〜っと並んだ所に、水塔婆を納め槇の枝で水を掛けて行く。

Img_3447これでご先祖さんは帰って来られます。

とここまで書いて、ふと「去年も同じ事書いてたなぁ・・」と思ってしまった。

毎年同じ様な行事が繰り返されて、続けられている。この「六道参り」は平安の時代からずっと続けられているものである。細かい所や周りの雰囲気は変わっても、大筋は変わっていないだろう。誰が教える訳でもなく親から子へ、子から孫へと当たり前の事として続けられているものである。

思えば、私もいつかはこの道を帰って来る事になるだろう。誰が迎えに来てくれるのか知らないがやがては通る道だ。
その時迷わない様に、しっかりと覚えておこう!

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コメント

 生家も嫁ぎ先も門徒で、お迎えの習慣がありません。

 最近メタボな夫や肥満な息子の付き合いで妙心寺を通ることになり、今年初めてお迎えを観ました。(観るだけ)

 妙心寺は派手です。スピーカーが設置され、本堂のお経とご詠歌がライブで流れ(罰当たりな表現ですが)、近所の人は朝寝坊出来ひんやろうな。というぐらいです。屋台も出ます。驚きました。

投稿: ごうやん | 2007年8月11日 (土) 21時57分

うちも真宗ですが、おそらく習慣として六道さんにお迎えに行っています。ここ数年は、わたしが8日の朝に行くのが年課になっています。

記録しなければ、と思いつつなんとなくいつもせずに来て、今年はこちらにリンクを貼らしていただきました。ありがとうございます。

投稿: はたこ | 2007年8月12日 (日) 06時51分

ごうやんさんへ
そうですね。浄土真宗はお精霊さんをまつられませんね。
この時期、東大谷さんで行われる万燈会もお墓に参られる方へのためだと聞いてます。
でも、ご先祖さんを敬う気持ちは変わらないと思いますよ。

妙心寺、そんなに派手ですか?来年一度見に行って来ます。
宗派や、地域によっていろんなやりかたがあるのだなぁ。
ローカルな行事も、地元に根付いていておもしろいとおもいます。(不謹慎かな?)

投稿: 好日 | 2007年8月12日 (日) 23時07分

はたこさんへ
家は浄土宗ですが、祖母はいつも東大谷さんにある我家に縁のある方のお墓に参ってから、六道さんへ行ってました。
庶民はそれなりに使い分けながら、ご先祖さんを祀っていたのだと思います。

そういう庶民の生活や、ささいな事でも記録を残すというのは大事ですね。庶民の生活だからこそ残したいものであると思います。昔の絵や本を見ていても、そのような内容が一番面白い。

このようなブログという形式もある意味では立派な記録になると思ってます。それには継続しなくては!


投稿: 好日 | 2007年8月12日 (日) 23時37分

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