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2007年9月 5日 (水)

「リクエスト展07」細見美術館

9月になったといえども、まだ日差しは夏の様相で、白く輝いた光の下から空調のきいた薄暗い美術館にはいると別世界の感じがした。
夏の盛りから終わりにかけて細見美術館で開催される「リクエスト展」も美術フアンの人達には恒例の行事となってきた。毎年、出展されるものが大きく変わるわけではないが、やはり順位は気になる。
「今年は多分若冲がまきかえしているだろうな」と思って行くとやはりベスト20に若冲が6点はいっていた。「鶏図押絵貼屏風」「鼠婚礼図」「糸瓜群虫図」「雪中雄鶏図」「瓢箪・牡丹図」「菊花図押絵貼屏風」。細見美術館の若冲総出演である。(といいながらもまだ15点位隠れて入る。)
やっぱり、5月の相国寺での「若冲展」での印象が強かったんだろう。

今回出展されている若冲の作品においては、魅とれたのは「菊花図押絵貼屏風」。各雙3枚の若冲の画と宮崎イン甫の七言絶句の書が交互に貼られている。手元の資料によると宮崎イン甫はこの屏風が描かれる前に亡くなっているらしいから、若冲の画はこの書に合わせて描かれたらしい。

どの菊も画の右側、または左側から現れて来、空間を分けている。その余白と菊の花の間がすばらしい。筆の運びで見ると軽やかに描かれた様に見えるが、その構図には眼を見張る物がある。筋目描きや没骨など多彩な水墨技法を用い、小菊の軽やかさを筆使いであらわし、墨の濃淡で花の色を表す。何回見てもいいですね。

若冲以外でも良かったのは宗達の「双犬図」。わんころが二匹戯れている。白と黒2匹がからみあうように戯れている。黒犬は、目や耳をやわらかい線で、体はたらしこみによってつややかさをだし、白犬は、輪郭線の周りの色を薄墨で描くことにより白さをきわだたせている。宗達特有の曲線を多くした優しい感じがすばらしかった。

去年第一位だった神坂雪佳の「金魚玉図」も相変わらずこちらを覗き込んでいた。

その他絵画では「男女遊楽図屏風」、北斎の「五美人図」、神仏関連ではおなじみの「金銅春日神鹿御正体」があいかわらずすばらしい。
陶器では、これは初見だが「織部千鳥文手付四方入鉢」がよかった。普通の織部よりすこし薄手でだが器に品があった。

細見美術館の所蔵作品の中から選ぶ為、この美術館をよく知っていなければ選びにくいという難点はあるが、なじみの人にとっては細見美術館からの夏のお中元とも言える美術展だった。
(お中元と同様、なくなればなんとなく寂しさを感じるもので、今後とも是非続けてもらいたい企画である。)

*「珠玉の日本美術 細見コレクション・リクエスト展07」
 細見美術館
 2007年7月14日〜9月17日

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コメント

金魚玉図に必ず会えるのがうれしい企画です。
秋には神坂雪佳展もあるので、とても楽しみです。

絵は、ほんとにゆっくり見たいものです。若冲展は厳しかったです・・・。

投稿: はたこ | 2007年9月 7日 (金) 00時10分

はたこさんへ
暑い外からはいってこの画をみると本当に涼しげな感じがします。暑気はらいの一幅です。
誰もいない展示室で今年もにらめっこしてしまいました。(笑)

この秋も京博の「狩野永徳展」、細見の「神坂雪佳展」、奈良博の「美麗 院政期の絵画展」等とまた走り回る秋になりそうですね。

投稿: 好日 | 2007年9月 7日 (金) 22時45分

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