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2007年9月12日 (水)

「大覚寺の名宝」京博特別陳列

大覚寺に御宇多法皇が入山して700年ということで、大覚寺では収蔵庫の改築が行われている。その期間その宝物は京都国立博物館で特別陳列されている。

Img_daikakuji1大覚寺では厨子に収まっている明円作の「五大明王像」が厨子から出て陳列されていた。
この五大明王像は各高さが70センチ位の小振りの像。そのぽっちゃりとした顔立ちから、一般の明王像と異なり、ひそかなマイ・フェバリット・シングス。

「五大明王像」とは不動明王、軍茶利明王(右下)、大威徳明王(左下)、金剛夜叉明王(左上)、隆三世明王(右上)の5体の仏像。
不動明王を中心として東西南北に曼荼羅を示す形で並べられる。
さらに「明王」とは「如来」「菩薩」に次ぐ仏格を持つ仏で、仏の教えに従わない救われない人間達を調伏させ、救済する役目を持つ。そのため表情やその姿は怒りを表した形をとる。

しかし、この不動さんは何故か優しい。顔は怒った表情だが心の底は慈愛に満ちた感じがする。親が子供を叱っている時の感じ。顔が丸顔だからそんな感じにみえるのかな?(しかし、実を言うと私も丸顔の部類。子供が小さい頃よく叱ったがこんなかんじだったのだろうか?)

まあ、調べてみればこの顔の造りは、これを彫った仏師「明円」の属した派の特徴でもあるらしい。平安時代後期の仏師である「明円」は「円派」に属し、その頃の主流であった「院派」や奈良仏師となる「慶派」とは異なり、個人の念持仏等の小さい仏像を多く製作したらしい。依頼する人には女性も交じっていたらしく、愛らしい表情が特徴の派であったと言われている。(なんとなくそう言われると納得するものがある。)

この「五大明王像」、東寺講堂にある立体曼荼羅の「五大明王像」を手本にしている。不動明王を除いてはそっくりだが何故か不動明王だけは異なる。不動さんにもはやりがあり、最も古い部類の不動さんは真言系の不動さん。空海が密教を伝えたときに持ち帰られたもので弁髪がストレートであった。(東寺の不動さん)。次は円仁・円珍が持ち帰った天台系の不動さんで、弁髪が編み込みになっており、頭に鉢巻きのようなものを巻いている。(大覚寺の不動さん)。最後は片目をつむり、口の牙が右左が上下に片方ずつでているパターン。何気なく見ている不動さんにもいろいろ変遷はある。真言系の大覚寺に天台系の不動さんが置かれているというのもなんかちょっと不思議な気がする。
それにこの不動さん、不動さんに付き物の炎の光背がないなぁ。

まぁ、ちょっと家において、毎朝拝みたくなる気がする「五大明王像」である。

Img_daikakuji2

その他、良かったのは「狩野山楽」の「牡丹図襖絵」。狩野派の金碧障屏画の特徴がよくでた「山楽」の代表作。独特の岩肌の荒々しさと、牡丹の花の細密さが同居しており、緑青の緑色が印象的だった。

*「大覚寺の名宝」
 京都国立博物館  特集陳列
 2007.8.8〜2007.09.17

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