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2007年9月10日 (月)

「若冲忌」伏見深草石峰寺

9月10日は伊藤若冲の命日であり、若冲のお墓がある深草の石峰寺では「若冲忌」が催される。
午前中の雨も上がり初秋の澄み切った青空がひろがり始めた午後、遅ればせながら石峰寺を訪れた。

Img_3666石峰寺へ続く参道の石段を上っていくと、まだ緑濃い木々の間に紅い竜宮造りの中国風の門が見え、そのコントラストが眼にまぶしい。

門前には「若中忌」と書いた高札が立っている。ここ最近の若冲人気でさぞ訪れる人も多かろうと思って門を潜ると、時間がずれていたせいか案外人は少ない。

受付に回ると本日は「若中忌」ということで拝観料は無料。それに絵はがきのセットの記念品をいただいた。なにかお布施も持たずにきたことが悪い様な気がする(感謝)。このお寺で若冲が大事にされている事がよくわかる。

「奥で若冲の作品を展示していますので見ていってください」と丁寧にいわれ奥の部屋に案内された。

Img_3618飾られていたのは「鶴・亀」の対の双幅の軸、「鶏」の軸が2幅、そして大津絵の「藤娘」を描いた軸。

若冲の描いた大津絵。これは珍しい。このような若冲の大津絵があることは文献で知ってはいたがそれは確か「鬼の念仏」であったと思っていた。「藤娘」は初見。
ひょっとしたら、若冲の描いた女性を初めて見るのかも知れない。(と書いてちょっと考えたら三十六歌仙を描いた屏風に小野小町が描かれていた事を思い出した。)

大津絵の伝統にのっとり、ちょっと細面だが、下膨れの感じのする藤娘。しかし目元は涼しげ。
たっぷりと墨を含んだ打掛が大津絵独特の雰囲気を醸し出している。

しかし描線がきれいなだけに、この大津絵ちょっと洗練されすぎている様な感じがする。伏見人形の画のようにちょっと崩した面白さみたいなものがあってもいいなぁ。これは贅沢かな?
でも、いい物を見せてもらった。

Img_3642しばらくじっくりと鑑賞して、若冲のお墓の方に行く。

花に飾られたお墓の前で、しばしの間若中に感謝。「あなたの画は本当に楽しませてくれる。」
強い日差しの中、蝉が「まだ、夏は終わってないよ」と言う感じで強く鳴いていた。

それから、五百羅漢の方へ行く。

Img_3626この羅漢さんの中には見る人の顔を写した羅漢が必ず見つかると言われている。
だったら若冲の顔を写した羅漢さんもあるわけで、いろいろ捜してみる。そんな中で見つけたのが上の羅漢さん。
じっと見つめるとイメージしている若冲の顔に思えて来る。
なんとなく気難しそうに見えるが、憎めない風貌である。
歳とってからの若冲はこんな感じがする。

しばし、羅漢達を見てから、寺の方へ戻る途中に「紫式部」がきれいな色の実を付けていました。
もうすぐ秋ですね!

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コメント

いらっしゃったんですね。
自分は行けなかったのですが気になっていました。
7年前の京博展の際に一度参拝した事がありますのでなつかしいです。
ありがとうございました。

投稿: ジバゴ | 2007年9月12日 (水) 10時15分

ジバゴさんへ
初秋の「若冲忌」よかったですよ。
思っていたほど訪れる人も少なく、落ち着いた気持ちで参る事が出来ました。(ただヤブ蚊には困らせられました。笑)
本当に若冲の好きな人や、このお寺を愛する人達でいろいろと楽しい話も出来ました。
また、次の機会にでもぜひ訪れて下さい。

京都の事や、美術関係の事を少しずつ書いていきますのでこのブログにもまた訪れて下さい。

投稿: 好日 | 2007年9月13日 (木) 01時08分

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