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2008年2月20日 (水)

「応挙、芦雪、呉春の世界」 京都国立博物館常設展

今月の京博常設展では「応挙、芦雪、呉春の世界」と題した特集を開催している。

先月の若冲の特集も愉しめたが、今回も見応えのある特集である。
応挙が「雲龍図屏風」「群鶴図屏風」「双鹿図」「四季富士図」、呉春が「柳鷺群禽図」、芦雪が「朝顔に蛙図襖」「牧童吹笛図」。

Img_oukyogunnkakuこれは応挙の「群鶴図屏風(右雙)」。

この屏風非常に状態がいい。調べれば発見されたのが平成8年頃であり、それまで余り飾られた事がなかった様子。応挙が描いた頃の状態で見つかっているみたい。
金地も奇麗に輝いているし、絵具も色落ちもなく描いたままの状態。
関西で見つかったのだが、平成の時代にこんな優品が見つかるなんて、その懐の深さに驚く!

江戸時代の「群鶴図屏風」といえば、尾形光琳、鈴木其一、石田幽汀、そして伊藤若冲等の作品が有る。光琳と其一の作品は、鶴を描くとしてもその構成の妙で惹き付けられる部分がある。
石田幽汀の作品はちょっと鶴の数が多過ぎ。この京博にある光悦、宗達の「鶴絵下絵三十六歌仙和歌集」みたいな感じがする。

それらに比べてこの応挙の鶴図はすっきりとまとまっており、しかしその一羽々の鶴を見せる技がある。
羽根の量感、嘴の硬さ、足のつぶつぶ感等、写生の応挙の特性がよくでている。

しかし、個々の鶴の姿勢なんかを見ていると、案外若冲の描く鶴の姿と似ている事に気付く。正面を見ている鶴の顔付や目付き。首をS字に曲げている姿態など、似ている、似ている。

応挙と若冲は、知らない中ではなく、応挙は深草の石峯寺に住む若冲を訪れたりしている。
案外、応挙は若冲の画に惹かれていた部分があるのではないだろうか?

なんか、そんな点に京博が続けてこのような特集をする意図が感じられる様な気がする。

「雲龍図屏風」は見て来たかの様な迫力のある姿だし、「双鹿図」の鹿の毛並みも生きているかのようだし応挙のうまさが目につく作品ばかりである。
(しかし、「双鹿図」の正面を向いている鹿の顔だけは、私にはどうみても河豚のふくれた顔にしか見えないんですが・・・・)

Img_rosetu2これは芦雪の「朝顔の蛙図襖」(和歌山 高山寺)。

これは何と言うか、芦雪らしい襖である。
一番左の襖にひょろひょろと伸びる朝顔が一本描かれていて、真中の二枚の上をそのツルが伸びていき右の端の襖に描かれた若竹に絡み付いている。その若竹の下にはヒキガエルが二匹。

それだけの画である!。

これを空間の妙がある画と見るのか、人をくった画と見るのかはそれぞれだが、芦雪と言う画家の面白さは堪能できる。

小さく描かれている朝顔の花、私にはタラコ唇のキスマークにしか見えないんですが!

芦雪という画家、上手いんですが、面白い画家ですね。私は好きです。

その他、この特集以外にもこの季節にふさわしく鎌倉から室町にかけての「涅槃図」が4枚展示されており、これも楽しめた。

京博、いつも楽しませてもらっている常設展を開催している新館をこのたび建てなおす事となった。その間常設展はどうするのだろう?。
もし、休止となれば、楽しみがなくなるなぁ。

*特集「応挙 芦雪 呉春の世界」
 京都国立博物館  2/6〜3/9

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