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2008年4月23日 (水)

「ボストン美術館 浮世絵名品展」 名古屋ボストン美術館(その3)

ミーハーと言われようが、物好きといわれようが「国芳」の浮世絵が好きだ!

特に、3枚摺のワイドスクリーンの武者絵には、血沸き肉踊る感じがする。

ばかでかい怪物と小さな人間が対峙する緊張感。水の流れや、波の動きで表されるダイナミックなリズム感。赤や藍色の刺激的な色使い。

国芳独特の世界。

Img_kuniyosi1
これは「讃岐院眷属をして為朝をすくう図」。

「椿説弓張月」からの物語で、源為朝が清盛を討とうと瀬戸内を進んでいる所、嵐に会い「もはや、これまで」と覚悟を決め腹を切ろうとすると、讃岐の眷属達が現れ、為朝を救う図(左下の図)。白く色抜きされている部分にはカラス天狗が線彫りされている。
画面上部の奇怪な鰐鮫は、為朝と別れ々になった息子と部下を、その大きな背にのせ助けている様子。
右下は為朝を助けるため、海に飛び込んだその妻「白縫姫」。
と3つの場面を一枚の絵にしたてている。

なんといっても目に惹き付けるのは、巨大な鰐鮫。大きく開かれた眼、鋭い歯の並んだ口、幾何学模様の小さな渦巻きが並んだ背中には、想像上の生き物にしても奇妙なリアル感がある。

国芳はこれらの素材を、オランダから輸入された生物図鑑や銅版画から得ていた。多分、犀や鮫の画からこのような怪物をつくりあげたらしい。

爛熟した江戸の文化と、幕末近くの騒がしい世相を反映した雰囲気。
時代が国芳を求めたのだろう。

Img_kuniyosi2
これは「鬼若丸の鯉退治」。

鬼若丸とは武蔵坊弁慶の幼名。比叡山の稚児であった弁慶が、比叡山の麓の古池に住み通る者に害をなす大鯉を退治する話。この題材は江戸の後期に流行ったらしく、2月に行ったV&A浮世絵名品展でも魚屋北溪で描かれていた。

北溪のは鬼若丸が主体だが、こちらの国芳は鯉が主体。
ギロッと鬼若丸を睨みながら、その周りをゆったりと回り込む鯉。
水面を立つ漣が鯉の不気味さを際立たしている。

黄色に塗られた白目の部分と大きな黒目が印象的。この目付き夢にまで出て来た。

今回の名品展には、そのほか礒田湖龍斎、清長、歌麿、鳥文斎栄之の美人画の名品、豊国、國貞の役者絵、もちろん大御所北斎、広重の名品がずらーっと出ており、さすがボストン美術館と言わざるを得なくなる。

名古屋を皮切りに、いまは新潟、そして福岡、江戸東京博物館へと巡回していくが、ぜひ観られるべきだと思う。これだけの上質な浮世画はちょっとみられないと思う。

なお、名古屋ボストン美術館では、今後本展を含み3回にわけて浮世絵名品展を開催するらしい。今後、どんな浮世絵がでてくるか、今から次の展覧会が楽しみである。

ボストン美術館 浮世絵名品展 最初から

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