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2008年6月23日 (月)

「祈りと美・かざりの美」 細見美術館

細見美術館の開館10周年記念特別展として開催されている「祈りの美、かざりの美」見応えのある内容だった。
細見美術館は琳派の作品を多く所蔵していることで有名だが、仏教美術・神道美術の美術品も多く所蔵している。今回はその中から10周年を記念するにふさわしい名品が揃っている。

特に最初の部屋にある「六観音像」。これがすばらしい。

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「聖観音」

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「千手観音」             「十一面観音」

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「准胝観音」             「如意輪観音」

この「六観音」14世紀前半の作とされており、元は東寺西院御影堂にあったとされている。
状態も良く、色合いも申し分ない。良くこの状態で残っていたものだ。

通常「六観音」というのは、「聖観音」、「千手観音」、「十一面観音」、「馬頭観音」、「准胝観音」(天台系では「不空羂索観音」)、「如意輪観音」の六観音菩薩をいう。
この細見美術館の六観音には「馬頭観音像」がない。

こうなると知りたいのは「馬頭観音」の顔。
この5幅の六観音から推測するに、似た様な六観音像を憶いだすと、画ではないが千本釈迦堂の六観音像を憶い出す。この仏像も同じ様に13世紀から14世紀にかけての仏像とされている。

「馬頭観音」は平安時代の像なんかでは、カーッと目を見開いた忿怒相のものが多いが、千本釈迦堂のはそんなに怒った顔をしておらず、なんかかわいげの有る様な顔をしている。それからおもうとここには無い馬頭観音像もそんなに厳しい顔をしてないのではないかと思える。

しかし、この仏達、良い顔しているなぁ。平安時代の仏よりも幾分人間くさく、その分「如意輪観音」なんか枝垂れかかる様な仕草に見え、悩ましく感じられる。

このような素晴らしい仏画をみていると、始めは画として細かく見ているが、誰も訪れる人の無い部屋で画の前を行ったり来たり立ち止まったりしている内に、だんだん拝む様な気になってくる。画にもそのような力がある

画や美術品を見る事は、この仏画のように、画家や作者、その画を見続けた人達やそれと親しんで来た人達、画中の人物・仏・自然等の事象と自分とのコミュニケーションみたいなものであると思う。

そういうコミュニケーションの中で、うまく共感したり波長が合ったりしたものが、好みのものであり感動したりするもので有ると思う。

美しいものとはそのようなコミュニケーションの結果のものである。

話はちょっとそれたが、その他細見美術館ご自慢の「愛染明王像」、「虚空蔵菩薩像」、熊野速玉神社伝来の「狛犬」、「五鈷鈴」、象嵌七宝の「釘隠・引手」、もちろん「春日神鹿御正体」も鎮座していました。

見終わって、この美術館も10年たったかと思うとはじめは斬新に見えていた大江匡のこの建物も、この岡崎の地になじみ溶込んでいることに気付かされた。

*「祈りの美・かざりの美ー仏教美術と工芸」
 細見美術館
 2008/06/06〜07/27

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