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2008年7月24日 (木)

祇園祭あれこれ08 「還幸祭」

神輿というのはすごいね!

形が美しいとか飾りがきらびやかとかいうものではなく、独特のオーラで包まれたような輝きを発している。

それは担いでいる輿丁やまわりでにいる見物の方々すべての情念が神輿に集まって生まれるものである。

神輿を輝かしているものは、あくまでも人々の思いであり、願いである。

そしてじっとしているのではなく、つねに上下に揺れるように進み、回りの空間をその世界へと巻き込んでいく。あたかも得体の知れない生き物のように。

神輿は一つの宇宙を作り出し、その中へ周りを引き込んでいく。ある者はその世界で陶酔に浸り、ある者は神の姿を感知し、ある者は叫びだす。いってみれば人間の世界を突き進む、異世界のブラックホールみたいなものですよ!

そんな不思議の世界へ誘うように、四条寺町の御旅所から3座の神輿が、各氏子町をまわり八坂神社へ渡って行く。

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御旅所から担ぎ出された神輿にはまず「御霊遷し(みたまうつし)」の神事が行われる。17日の「神幸祭」で八坂神社からこの御旅所に遷された神はこの神事で再び神輿に遷される。

三若神輿会の担ぐ「中御座神輿」には、八坂神社の主神である「スサノヲノミコト」が遷される。

御霊が鎮座されると神輿は御旅所の前で差し上げられ上下に激しく振られる。

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ここから神輿は寺町通を下り、高辻通を烏丸通にぬけ、最初の目的地であるか烏丸仏光寺にある「大政所」へ向かう。

「大政所」は現在の地に豊臣秀吉によって「御旅所」が移されるまでの旧来の「御旅所」の跡。今はビルの間に小さな祠として残っている。

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神輿を振るというのは、なかなか難しい。ただ単に上下に揺すっているだけでは神輿は揺れない。前後左右の担ぎ手が息を合わせ、波が伝わるような拍子で揺れを送っていく。

綺麗に振られた神輿をみると、あたかも波のある水面を渡って行く船のような感じがする。波頭に舳先を持ち上げ、波の間に沈みこむような感じで水を切って進む感じ。

その拍子をとるように指揮をするものが「ホイット、ホイット」の掛け声をかける。掛け声に合わしながら、担ぎ手は蹴り上るような足取りで神輿を運ぶ。

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四条烏丸に着くとその交差点の真ん中で神輿は差し上げ、廻される。

交差点の周りを囲むビルの様相は年々変わって行っても、神輿は1200年近く変わらずこの辻で差し上げられ舞わされている。

西山から照る夕陽に照らされキラキラ舞う鳳凰。

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四条大宮では丹波八坂太鼓の面々が太鼓を打ち鳴らし神輿を迎える。

勇壮な太鼓に掻き立てられるように、神輿は大きく振られ見物の方々の拍手に迎えられる。

ここからは中御座神輿を担ぐ「三若神輿会」の地元。

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狭い大宮通に並ぶ家々の軒先を掠めるように神輿は進む。

多くの家の表には人々が並び「おみこっさん、きゃぁはったで~」と奥のほうへ声をかける。そして神輿に向かって頭を垂れる。

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神泉苑では僧侶が神輿を迎える。現在は東寺系のお寺だが「神泉苑」はもとは禁苑。

祇園祭の始まりは869年にこの神泉苑に66本の矛を立て、牛頭天皇(今のスサノヲ)を迎えた御霊会が始まりとされている。

その故事に習い、中御座神輿はここを訪れる。

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三条商店街にはいると神輿俄然勢いを増す。地元だけに声をかける人たちも多く、アーケードに掛け声が大きく響く。與丁達も一層ボルテージが上る。

「ホイット、ホイット」の掛け声に合わせ、細い商店街をぎりぎりまで寄せながら振っていく。

会所の前の道では差し上げて振りぬく。神と人とが共演する盛り上がり。

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三条黒門角にある八坂神社の摂社「御供社」で折り返し。

神輿弁当を食べ、しばしの休息のあと八坂神社を目指していく。

この三条大宮の辻には御旅所で別れた東御座、西御座の神輿が揃う。時間をずらし順々に社に到着し、神事の後出発していく。

三条通をとおり寺町通から四条通に抜け、四条通を八坂神社石段下をめざす。

石段下に中御座神輿が着いたのが9時過ぎ。それでも多くの人が石段下で神輿を迎えてくれる。その前で差し上げ、舞わして南門から境内にはいる。

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境内に入るとここにも多くの人たちが神輿を迎えてくれる。

「ホイット、ホイット」の掛け声も一緒になって声をかけてくれる。その声に力付けられ最後の力を振り絞るように與丁達も神輿を振る。

境内の中が神輿の宇宙に包まれる。神と人が一体となり喜びや苦しみを分かち合う。

ひとしきりの饗宴のあと中御座神輿は舞殿に納められる。

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中御座神輿の後を追うようにして「スサノヲ」の妻である「クシイナダヒメ」が乗った「東御座」神輿が境内に入ってくる。担当しているのは「四若神輿会」。

3座の八坂神社の神輿だが、分担している神輿会によって声のかけ方や拍子のとり方が異なる。

東御座は神輿を支える轅が長いためか、整然と神輿を運ぶ。うまいものである。

あの狭い境内をいっぱいに使いながら舞殿の周りを廻していく。

その「東御座」が舞殿に収められるとただちに「西御座」が入ってくる。

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「西御座」にはスサノヲの子供達である「ヤハシラノミコ」が鎮座されている。

担当するのは「錦神輿会」。

この3座の神輿がすべて舞殿に納まると突然境内の明かりが突然すべて消される。

月明かりの中、3座の神輿から御霊が本殿に遷される「御霊遷し」の儀が行われる。

暗闇のためシーンと静まったなか神官の「ヲ〜〜」と言う太い「警蹕(ケイヒツ)」の一声が響き、「還幸祭」は終了する。

暑く長い一日であったが、神輿を心から愉しめた一日であった。

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コメント

 会所の辻は凄い熱気で圧倒されました。やっぱり神輿はいいですねぇ!
 記事にし忘れましたが、小さい子供さん達が三若の手ぬぐいで縫ってもらったスカートや腹当てを身に着けていたのが、なんとも微笑ましく可愛らしかった。こうしてスピリットは受け継がれていくのでしょうね。

投稿: ごうやん | 2008年7月27日 (日) 05時40分

ごうやんさんへ
三条商店街で見ておられたのですか・・・。気付きませんでした。会所の辻はやっぱり地元ですので盛り上がります。
ここで盛り上がらないと、1年間地元の人にゴチャゴチャ言われます。見る方もベテランが多いので注文が多いのです。

手拭で小物を作るのはやっているみたいですね。色々と見かけます。今年見かけた新しいタイプはジーパンの尻ポケットに手拭を使っているのがありました。皆さんいろんな形で親しんでくれてます。ひとつどうですか?

投稿: 好日 | 2008年7月27日 (日) 21時39分

あの日はずっとご同行なさってたのですか?!
すごい。

今年の御神輿さんは、忙しくて見に行けませんでした。けど、気分はお弁当で味わいました~。

下コメですけど、越畑のそば屋は一度行ってみたいところです。うまそうですね。

投稿: ぽん | 2008年7月29日 (火) 15時11分

ぼんさんへ
帰って来たのは日が変わってからでした!
次の日は仕事なんで、ウイークデイの祭りはしんどいですけど。でも余りある程面白い・・・。

たこ焼きから、ベタ焼き、うどん、スパゲッティ、蕎麦と「粉もん」には目がありません。
「越畑」よろしおすえ〜。
蕎麦だけでなく空気もおいしいですよ!
ぜひ、次の新蕎麦の頃にどうぞ。お勧めします。

投稿: 好日 | 2008年7月29日 (火) 22時52分

 今更ですが。。。コメント忘れに気づき。。。リンクさせていただきました。連絡が遅れ申し訳ありません。失礼いたしました。

投稿: ごうやん | 2008年8月 7日 (木) 09時44分

ごうやんさんへ
ありがとうございます。
祗園祭は終わりましたが、京都の夏は「おしょらいさん」「大文字」「地蔵盆」と続いていきます。
ぼちぼち書いていきますので、また宜しくお願いします。

投稿: 好日 | 2008年8月 8日 (金) 07時21分

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