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2008年7月17日 (木)

祗園祭あれこれ08 「神幸祭」

山鉾巡行が終わり、都大路が清められた夕刻「神幸祭」がはじまった。

「神幸祭」では、八坂神社の大神「スサノヲノミコト」「クシイナダヒメノミコト」「ヤハシラノミコガミ」が「中御座」「東御座」「西御座」の三基の神輿に乗り、洛中の御旅所へ向かう。

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夏らしい眩しい光の中、舞殿に置かれた3基の神輿はキラキラと輝いている。

「スサノヲミコト」が乗る「中御座」を先導するため久世の駒形稚児さんが境内を出ると、いよいよ神輿を舞殿から降ろす。この神輿を担ぐのは「三若神輿会」。この日のため1年間を待ちこがれて来た男達が争う様に神輿にとりかかる。

「ホイット、ホイット」の声がかかると中御座神輿はゆっくりと舞殿を降りていく。境内に降りると一度姿勢を直すため立ち止まるが、すぐに舞殿の周りを3周する「拝殿廻し」を行う。

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「ホイット、ホイット」の掛け声と共に、神輿は上下に揺すられながら舞殿を回っていく。

そして神輿が拝殿の正面に着くと、差上げられ更に激しく上下に振られる。主人の居なくなった拝殿を伺う様に高く持ち上げられる。男達も今年最初の差上げを楽しむかの様に長く高く上げる。

舞殿を3周回ると神輿は南門を通り境内を出て行く。神社の南側で東御座、西御座の神輿が揃うのを待って次は石段下の3座の揃い踏みへ向かう。

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石段下には早くから大勢の見物の人達が集まっている。
神輿は東山通りに出ると下りの坂を、振りながら駆け下りていく。そして石段下に着き、差上げられながらゆっくりと回り出す。輿丁達の「廻せ! 舞わせ!」という叫び声に見物の方々からも大きな声があがる。

3座の神輿が揃い、神官によるお祓い、市長の挨拶が済むと再び3座揃って振回す。改修が終わった西門をバックに折からの西日を受けて3座の神輿がキラキラ光りながら舞っていく。
壮大な景色である。
1500人を越える輿丁達が見物の人達の大きな手拍子を浴びながら「ホイット、ホイット」の掛け声に酔いしれる。

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揃い踏みが終わると、各神輿は各々の氏子地区を通り四条寺町の御旅所を目指す。
中御座と西御座は四条通を西へ。東御座は東大路通りを北へ向かう。

中御座はこの石段下から四条縄手まで振りながら進んでいく。蹴り踊る様な独特の足運びをしながら神輿を上下に揺すり、大勢の見物客に見守られて神輿は進んでいく。
神輿の勇壮さというのは、輿丁だけの力では生まれない。やはり周りの見物の人達の熱気に包まれてはじめて生まれて来る。
中御座に鎮座されている「スサノヲ」は猛々しい神であるだけに、大勢で迎えられる事を好む。
「ホイット、ホイット」の威勢のよい掛け声が神の喜びを掻き立てる。

(今年はこの時点でカメラが壊れ、以降の写真は撮れなかった・・・)

四条縄手に着くと、暫しの休息。今年初めての神輿をここまで担ぎ切った輿丁も肩で大きく息をしている。この神輿は約2トン近く有り、それを1回60人位で担ぐ。もちろんそれではもつわけがなく、人はドンドン変わっていく。大体一つの場所に5〜6人位の人が付く。その人達が2〜3分位で入れ替わる。
その辺の呼吸も、神輿を美しく見せる技となる。
大体1基の神輿に500人から600人の人が付く。

輿丁達の肩は担ぎ出すとすぐに大きく腫れ上がり、瘤の様にふくれて来る。道中の後半になって来ると半纏の上からも血が滲んで来る。しかし、痛さなんかは感じない様子で次々と神輿に入っていく。
我慢する事が喜びであり、神への御奉仕となるのである。

神輿は縄手通りを進み三条京阪から三条大橋を渡り洛中に入る。三条大橋の真中で神輿を止め、その威容を示すかの様に差上げ大きく振られる。

三条大橋を渡ると、三条木屋町から二条木屋町へ向かう。この木屋町通は桜の木が大きく張り出し、神輿を通すには難儀する所。なんとか神輿を低く運び通り抜ける。

二条木屋町で「神輿弁当」を食べ後半戦にはいる。二条木屋町を出発し、寺町二条から寺町三条、三条河原町と抜けていく。御池通を渡ると道はアーケードとなり輿丁達の声が異様に響き渡る。いやがおうにも神輿は盛り上がりアーケードの中を振りながら進む。輿丁達も陶酔の表情。

三条河原町から四条河原町を通り「御旅所」着く。
「御旅所」の前で残りの力を振り絞る様に振り抜く。見物の方々もそれを期待しているかの様に大きな手拍子と「ホイット、ホイット」の掛声を掛けて来る。それに応えるかの様に神輿も差上げたり、廻したり、振ったりを繰り返す。
暫しの狂乱の後、神輿は御旅所の前に据えられ、神主による「御魂遷し」の神事が執り行われる。

中御座を御旅所に据えると、つぎの東御座が御旅所に入って来る、そして次に西御座。
3座の神輿が全て収められたのは日が変わろうとする少し前の11時過ぎ。
今日も長い1日であった。
心地よい疲労感と無事に収められた事の安堵感が入り交じった、祭りの後の独特の感慨が湧く。

これから24日まで3基の神輿はこの御旅所で人々の願いを受け入れる。多くの人達が願い事をするであろう。しかしその願い事を神さんが喜んで受け入れてくれるだけの立派は神輿振りだった。

さて、次は24日の「還幸祭」。

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コメント

強い日の光の下で、金色に輝く御神輿は、格別の美しさですね。

臨場感あふれる記事にわくわくしました。去年はしばらく中御座神輿に付いていったのですが、そのときのことを生き生きと思い出しました。

投稿: はたこ | 2008年7月23日 (水) 00時47分

はたこさんへ
久し振りの晴れた「神幸祭」でした。(ちょっと夕立はありましたが・・。) 御神輿が石段下で、きらきら輝くのを久し振りに見た様な気がします。
おかげさまで、毎年見物の方も増え、今年なんか4時前から石段は多くの人が坐って待っておられました。

御旅所前では、東御座が思っていたより早く来たので、中御座の振り廻す時間が少なく後で文句がでていましたが。

まぁ、無事に終わってなによりでした。
せっかく見に来て下さったのに見つけられなくてどうもすみません。
還幸祭、時間があればまた見に来てください。

投稿: 好日 | 2008年7月23日 (水) 22時25分

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