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2008年10月 3日 (金)

「絹谷幸二展」 京都高島屋グランドホール

ちょうど長野冬期オリンピックの時、なかなか愉快なポスターを見付け作者を調べたら絹谷幸二氏だった。
それを憶えていたので、展覧会が高島屋で開催されているのを知って早速行って来た。

Img_kinutani1高島屋は今年美術部が創設百年ということで、面白そうな展覧会を開催している。

百貨店の展覧会としてはここしばらくは大丸の方が面白かったが、今年は良い勝負。(伊勢丹は美術館としているのでまた別。)美術好きとしては良い傾向。

絹谷氏も奈良県の出身だが、関西ではあまり見られる画ではない。そういう意味では百貨店の展覧会は私にとってはいつもとは異なる画家の作品を見られる点で重宝している。(ただ、人が多いのは閉口するが・・・)

「色彩はエネルギーの源。色彩は人を発奮させ、元気にする」と語る絹谷氏の画は色彩に溢れている。

チラシの画は、最新作の祭シリーズから「祗園祭」。
菊水鉾の巡行の様子を真正面から描いている。この様な色彩案外派手なように感じられるが、真夏の一番暑い頃に巡行される鉾の様子としては、こんな感じかも知れない。
金色に照り返す夏の陽の光。赤に彩られた鉾の懸装品、思い起こせば色彩に溢れた祭りである。

この画、ちょっと離れて見れば(1.5メータ×2メータ位の画)勘亭流の様な字体で「絹」と抜かれている。
始めはなんかけったいな構図だなと思っていたのだが、わかってみれば面白い。

Img_kinutani2これは同じ祭シリーズから「龍鬼渡海 博多山笠」。

上記の画と同様、色彩に溢れてPOPな感じ。

しかし両者とも決して原色ではない、ちょっと原色からは離れた色で描かれている。青にしても少し薄くしたり深みを持ったり。赤も少し暗さを持った赤にしたり。単純に派手な色彩ではなく、日本人にあった色調で描かれている。

POPな感じを増強しているのが、画の中に描かれている「セリフ」。
龍は「ギャオー」と叫んでいるし、鬼は「ブォォー」とうなっている。担ぎ手は「おいさ、おいさ」と手を合わし、見ている者に祭りの躍動感、高揚感を伝えて来る。

画の中に、セリフを描くのはこの画家の特徴。50点程展示されている今回の展覧会でも8割位の画には「セリフ」が描かれていた。

Img_kinutani3これは長野オリンピックのポスターの原画。「銀嶺の女神」。

この女神も「ららら〜」と歌を口ずさみ、そのセリフが描かれている。

マンガ的といえばそうなんだが、画の雰囲気をよりダイレクトに伝えようとするならばこれも1つの表現方法。吹き出しやセリフをマンガだけに独占させる事は無い。

絹谷氏の50点程の画をみて、確かに彼が言うように何か元気な気持ちにさせられたのは事実。

展覧会を出て、秋の雰囲気を出す為に茶色や黒の落ち着いた色調で飾られている高島屋の店内がかえって元気の無い様な感じがした。

楽しい画を見て、楽しい気持ちになって帰る、それだけでも見に来た甲斐があった。

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