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2008年11月24日 (月)

パリ、フィレンツェ、そしてローマへ(ルーヴル美術館:フォンテーヌブロー派)

ルーヴルで見たかった画に16世紀から17世紀初頭にかけてのフォンテーヌブロー派と言われている一連のフランス絵画がある。

この頃のフランスはフランソワ1世によってやっと統一された時代で、そのフランソワ1世がイタリアに遠征しルネッサンス気風を持ち帰り、画家をフランスに招聘した。
モナリザもこの時ダ・ヴィンチがフランスに渡ったために、ルーヴルに納まる事となった。

芸術の国フランスの基礎ができた頃。

そのフランソワ1世から17世紀初頭のアンリ4世位までの間に宮廷のあったフォンテーヌブロー宮殿を中心に描かれた画がフォンテーヌブロー派の画。

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これは、「狩人姿のディアナ」。16世紀の作品。作者は不明。

昔この画を見た時、男性の画だと思っていた。その後画集なんかで女性の画である事を知った。確かに今回じっくりとみてみると、胸はふくらみを持っている。
しかし、背中や腕の様子はどう見ても男の様子。
顔付は女とも言えるし、男ともとれる。非常に中性的な感じのする人物だが、その不思議さがある種のエロティズムを感じさせる。

また、後ろを駆ける犬の動きに対して、立ち止まった人物が画にアクセントを加えている。

背景の描き方なんかをみると、イタリアのルネサンスの影響が強いと思われるが、この頃のイタリア絵画には、まだキリスト教の要素が強い。それが伝わったフランスではより人間の欲望をあらわにした画となっているところが面白い。

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これも同じ頃に描かれた「愛の寓意」。作者は北方ヨーロッパ系の画家としかわからない。

先程の画よりも、もっと具体的に性愛を描いている。
また、この画は先程の画よりも、もっと複雑な要素が含まれているとされている。例えば下部に描かれているキューピットたちが持つ物や描かれている花なんかにおおくの隠された意味があるらしい。

しかし、私にはそこまでは理解できないが、この画から生じる官能的な雰囲気、また人間の欲望は充分に伝わって来る。

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これは、そのような部分がより強調されている画。
「ガブリエル・デストレとその姉妹の一人」と名付けられている画。16世紀の後半の画で作者は不明。

ガブリエル・デストレというのはその時のフランス国王アンリ4世の愛人だった人物で、画の右側の女性。
この画も多くの暗示的な要素を持ち、左側の女性が乳首を摘んでいるのは、ガブリエルは妊娠していますよという事を示し、ガブリエルが指輪を摘んでいるのはやがて王妃になりますよということを暗示しているとされている。

Rimg0315しかし、不思議な画である。
何故お風呂に入っている姿なのか、後ろに居る人物はだれなのか、また半分だけ描かれている画中画は何の画なのか、

赤と茶と金色に映える白い肌が強烈な印象を与え、思わず立ち止まる魅力に溢れた画である。

このような構図はこの時代はやったのか、同じ様な構図の画をフィレンッェのウフィッツィ美術館でも見た。

フランスの国民性は、エスプリに富んでいて、ウイットがあり、ちょっと好色な感じと言われているが、そのような点がなんとなく納得できる様な感じである。

しかし、このような私的な題材を堂々と宮廷の壁に飾る感覚には驚くなぁ。

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