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2008年11月25日 (火)

パリ、フィレンツェ、そしてローマへ(ルーヴル美術館:ラ・トゥール)

3〜4年前東京の国立西洋美術館で「ラ・トゥール展」が開催されたときには、まだ仕事が忙しく訪れる事ができなかった。残念だったことを思い出す。
だから、今回のルーヴルではラ・トーゥルの画を見る事に多くの時間を費やした。

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これは「いかさま師」。左側の3人が組んでいかさまを行っている。カモになっているのは右側の若者。
二人の女は互いに目配せし机の上の金をすくねようとしているし、左端の男はトランプをダイヤのエースにすりかえようとしている。いかさまが行われる瞬間の心の動きを各自の眼の表情、手の動きで見事に表している。それにこの光のコントラスト。惹かれるなぁ・・・。

ジョルジュ・ド・ラ・トゥールは17世紀のフランスの画家。生前は人気のある画家だったが、没後は忘れ去られ20世紀初頭になって残された画が再発見され、その後急速に人気が出て来た。

人気の秘密は、独特の光の描き方。精緻で写実的な表現を光と闇が織りなす空間に描き、劇的な雰囲気を醸し出している。それに残された画が少なく、40作品程と言われている。

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これは「聖トマス」。キッと前方を見据えた精悍な顔。皮の上着と布のマントの質感。正面から浴びた光と壁の闇によって浮かび上がる立体感。簡素な画だがその存在感は抜群。

ラ・トゥールには「昼の画」と「夜の画」と呼ばれるものが有る。最初の2点は「昼の画」。次に続くのが「夜の画」。

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これは「大工のヨセフ」。

蠟燭の光一つで画の全てが照らされている。しかしその中心となっている炎は見えない。ここがすごいね!。
位置的に見て、子供の顔があれだけ光り輝くのであったら、実際はヨセフの顔もおなじように輝くはずだが、そこはラ・トゥールの計算ですこし位置をずらした様な感じでその照りは陰翳を強めた感じで描かれている。
このような、画の緊張感や見る者へのインパクトを強める描き方から見て、ラ・トゥールと言う画家は画を見る者達の興奮をかきたてる術を知った画家であったろうと思える。

子供の手が蠟燭の光に赤く透けているところなんか、見る者の弱点をついているなぁ・・・。
この他ルーヴルには3枚のラ・トゥールの画があるが、どれも見に来て良かったと納得させられる画である。

17世紀のヨーロッパには、このラ・トゥール以外にも、フェルメール、レンブラント等、光と闇の描き方が素晴らしい画家が突然にして現れる。この基をたどるとそこにはイタリアのカラヴァッジオと言う画家が存在する。今回の旅行の最大の目的はそのカラヴァッジオの画を見る事。

途中、思わぬ画との出会いもあったが、いよいよカラヴァッジオの画へと近づいて行く。

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