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2009年5月 3日 (日)

神泉苑大念仏狂言 「炮烙割」

「カンデンデン」のゆったりとした金鼓と太鼓の調べが五月晴れの空にながれ、観客席からは人々の屈託のない笑い声が起って来る。
今年も1日から4日まで、神泉苑の狂言堂で大念仏狂言が演じられた。

鎌倉時代から延々と続けられている念仏狂言、そこには庶民の笑い、悲しみ、喜びが積み重ねられるように表されているし、また願い、知恵が込められている。

いつものようにお手伝いに行き、幕間から覗き観る舞台に飽きる事は無い。

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数ある演目の中から今回は「炮烙割り」。

あらすじは、「町に新しい市場を開くにあたり、一番に店を出す者に税を免ずる」という立札がたった。それを見た「羯鼓(小太鼓)売り(下の画像)」がさっそく前日から場所をとり、誰も来ないので一眠りしだす。そこへ「炮烙売り(上の画像)」がやって来て、先に居る「羯鼓売り」が寝込んでいるのを見て順番をすりかえる。目覚めた「羯鼓売り」と「炮烙売り」との間で争いとなり、代官の前で芸を競う事で順番を決める事となる。「炮烙売り」はどうにかごまかして勝ち抜き一番となる。喜びいさんで炮烙を並べだすと、腹の納まらない「羯鼓売り」が並んだ炮烙を地面に落とし、すべてを割ってしまう。
「羯鼓売り」は商売のできなくなった「炮烙売り」を尻目に税を免除する立札を受取り、意気揚々と商売を始める。
「ずるをしてもあきまへんでぇ〜」というお話。

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この時舞台からガラガラと落されて割られる炮烙は、節分の時に参祀の人々が納めたもの。
この狂言で見事に割られる事で厄が祓えるとされている。今年も見事に割れました。

春の壬生狂言では毎日初番でおこなわれるが、神泉苑では1回だけ。
それだけに、見に来られている方々も炮烙が落ちるとやんやの喝采。

この演目だけ主人公は演者でなく炮烙。

Img_mibu3

ちょっとずるそうな「炮烙売り」と律儀そうな「羯鼓売り」との掛け合いがなんともいえないおかしさを感じさせるが、ふと振り返ると、現実の世の中でもよく有る風景。

長年の生活の中の風景から見いだした人間の性を喜劇の中に表していくことは、古今東西の古典演劇によく見られる題材だが、この念仏狂言でも見事に演じられている。

愉快!、愉快!。

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