« アムステルダム、ベルギーそしてパリへ(アムステルダムの朝) | トップページ | アムステルダム、ベルギーそしてパリへ(RIJKS美術館 その2) »

2009年11月14日 (土)

アムステルダム、ベルギーそしてパリへ(RIJKS美術館)

アムステルダムでの最初の美術館は「アムステルダム国立美術館」。

改修工事中ということで、フィリップ棟のみの公開となっているが、そこに大体の名品が集まっている。
いわば、傑作コレクションを見ているようなもの。

Th_pa020089

入館すると目の前にはアムステルダムがスペインから独立した事を祝う「アムステルダム市警団の宴会」の絵が飛び込んでくる。少し太めの大柄なオランダ人達が、赤ら顔で祝杯をあげている。細部まで徹底して写実的である分、それまでのイタリアルネサンスの絵画より、より人間臭く、高貴な様子は抜けている。

入り口の左側には大きな当時の帆船の模型。日本の南蛮屏風に描かれている帆船そのまま。

そして奥の部屋には、大量の武器や細かい装飾がなされた銀の杯や皿が並んだ部屋、デルフト焼が並んだ部屋が続いている。

当時のオランダおよびアムステルダムの繁栄が美しい物を通じて実感できる。

その様子はこちらと、  こちらから。

さて二階へ上がると、そこから絵画の部屋が続く。
RIJKSというとやはりレンブラントとフェルメールが有名。

部屋もレンブラント関連が3部屋、フェルメール関連の部屋が1部屋設けてある。

まずはレンブラントの「夜警」から

Th_

大きな絵である。横が4m50、縦が4m程。
この絵、「夜警」として知られているが、それは以前には汚れていたために絵全体が薄暗い印象を与えたから。
しかし、50年程前修復でこの絵を洗ったら、射し込む光が強く、現在はどうみても夜の絵ではなく昼の絵と判断されている
確かに、真ん中の隊長の白い襟や、横に立つ副長の黄金の服、そして何故か光のあたっている少女の顔色なんかを見ていると昼間の太陽の光が差し込んでいるように思える。

この絵については色々と解説がなされているが、それは別として、以前から思っているのだが、この絵の構図には無理が有るように思える。
上方に大きく空間を取って、暗くて見えにくいが、そこに注文主の名前全て(16名)を彫った盾のようなものが描かれている。その空間を確保するために下に描かれている自警団の面々の背の高さが(特に下半身が)縮まって描かれたように見える。

ちょっとレンブラントにしてみれば不思議な構図だ。

どうしてそんな絵になったのかと考えていると、見る位置が変わればそのようには見えないということに気付いた。

現在この絵は、見る者が同じ高さの目線で正面から見るように飾られており、図録なんかも正面からの図が載せられている。が、もともとはもっと高い位置に飾られていたのではないだろうか?だから、見る者は下から見上げるような感じで見ていたのではなかったか?

そうすれば、自警団の連中も縮んだ様子ではなく、不自然には見えない。

同じような事は、次の「アムステルダム布地ギルトの見本監察官達」にも言える。

Th__2

少ししゃがんで見上げるように見ると、机の線が立体的に見えてくる。

それまでのオランダの集団肖像画は、大抵が旅行に行った時、観光地をバックに皆がハイチーズとカメラを見つめてとる集合写真のような絵が多かった。ところがレンブラントはビデオのように動きがある状態で集団肖像画を描いた。そして、その動きを光と影で誇張していった。これらの絵に人気があるのはその工夫に魅かれるからだろう。

レンブラントの絵では他に「ユダヤの花嫁」が、なんか優しくて愛情溢れてくる雰囲気がしてよかった。

Th__3

そんなレンブラント関連の部屋の様子はこちらと  こちらから

これはレンブラントの自画像。
レンブラントは自画像を案外たくさん描いているが、左は20歳位の自画像で、右は55歳位の時

Th__4 Th__5

まだ自信はないが、野望だけを持って絵を描き出した頃に比べ、浮き沈みの激しかった人生を過ごした後の一種の満足感、あきらめ見たいなものを感じさせる老境のレンブラントに何故か愛着を感じる。

|

« アムステルダム、ベルギーそしてパリへ(アムステルダムの朝) | トップページ | アムステルダム、ベルギーそしてパリへ(RIJKS美術館 その2) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/95018/32272872

この記事へのトラックバック一覧です: アムステルダム、ベルギーそしてパリへ(RIJKS美術館):

« アムステルダム、ベルギーそしてパリへ(アムステルダムの朝) | トップページ | アムステルダム、ベルギーそしてパリへ(RIJKS美術館 その2) »