カテゴリー「美術芸術関連(その他)」の9件の記事

2009年12月31日 (木)

2009年 今年の美術展ベスト5

昨日まで仕事でバタバタしていたとおもっていたら、もう大晦日。今年もあと数時間になりました。

毎年のことながら、今年の(個人的)美術展ベスト5を発表して、締めくくりたいと思います。

Img_20095第5位 「へんてこ大襲来 冒険と奇想の漫画家・杉浦茂101年祭 展」 
京都マンガミュージアム

私の年代から言うと、杉浦茂のマンガというと一世代前のマンガになるが、貸本屋なんか行くとまだまだあり、あのシュールな世界は子供心に不思議な世界だった。

その奇想天外な世界が突然戻ってきた。

まず「101年祭」というのが人をくっている。入り口にはあの奇妙な登場人物の人形が待ち構えている。こんな調子でどこまでも楽しい美術展というよりもイベントだった。

ある意味日本の美術展の在り方を考えさせる企画。

Img_20094第4位 「皇室の名宝展 第1期」
東京国立博物館

この展覧会を見に行ったのは、岩佐又兵衛の「小栗判官絵巻」が出展されていたから。
岩佐又兵衛の絵をある時期追いかけていたが、この絵巻はなかなか見る機会が無かった。
今回出展されると知って、日帰りで見に行ったわけだが、人と人との間から眺めた絵巻は今まで見てきた又兵衛の絵とはちょっと異なった感じがした。

それでも見られたことに大満足!

しかし、東京の美術展は混みますね!。見る前に疲れてしまう。
そして、これでもか、これでもかと並べる企画力にはちょっとついて行けないなぁ。

Img_20093_2第3位 「杉本博司 歴史の歴史」
国立国際美術館

杉本博司という作家(コーディネータかな?)の感性は私の好みと合う。そのような意味では、全く個人的な感性で選んだ3位。

この美術展の展示されている一点々を見て行けばそれ自体はもっとすごいものがあるかもしれないが、この展示室の同じ空間に、同じ時に並べられている事自体が、見る私にとっては新鮮な驚きであり、気持ちの良い同体感を感じさせる。

古美術とモノトーンの写真の育むコラボレーションの世界がこれほど落ち着く世界であったのかと改めて認識させられた。

Img_20091第2位 「若冲ワンダーランド」
MIHO美術館

新たに見つかった「象と鯨図屏風」は若冲らしい雰囲気があり、見ごたえがあった。それよりも興味深かったのは、今までオタクと思われていた若冲が、実際は家業や同業の仕事に精をだしていたという資料が新たに見つかったという事。こういう事実を知ると、あの水墨画にみられる洒脱な雰囲気がなんとなく理解できる感じがする。

2000年に京博で開催された「若冲展」以降、若冲に関する書物や展覧会は多くなっているが、今後も色々な発見がされ研究が進んていくでしょう。(実際、京都の旧家なんかに行くと若冲らしき軸に会う事がある。)この9年間の区切りとなるような質とボリューム(開期は細かく分かれていたが)のあった展覧会でした。

Img_20092第1位 「西国三十三所」
奈良国立博物館

冗談じゃないですが、この歳になってくるとこのような展覧会、単に美術的な見地からだけではなく、なんか観音さんにお参りしているような気持ちで見てしまうようになるんですよ。
この展覧会でも展示されている観音さんを拝んでいる人達を多く見たが、その気持わかるなぁ・・・。
そのような意味で私にとって「up to date」な展覧会。

今年の奈良博、質の高い展覧会が続いた。春の「鑑真展」では唐招提寺のあまり見られない天平仏が並んでいたし、「寧波展」は展示の視点がはっきりとしており見ていて気付かされることが多くあった。
来年は「吉備大臣入唐絵巻」が やっと戻ってきそうだし。
そのような期待も含めての今年の第1位!

今年も気まぐれな拙ブログにお付き合いくださってありがとうございました。
来年が皆様にとって良い年でありますように。

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2008年12月29日 (月)

今年の美術展ベスト5

年末恒例の今年の美術展ベスト5を発表します。

今年も多くの美術展に行きましたが、ブログに書けていない美術展も多くあります。
(終了間際に行って書くタイミングを逸したものや、単に私のズボラから書けてなかったり・・・)

ちょっとルール違反かと思いますが、書けてないのも含んで、見に行った美術展の中から発表します。

Img_kngwarreye_2第五位 「エミリー・ウングワレー展」 大阪国立国際美術館

オーストラリアの先住民族であるアボリジニ出身のエミリー・ウングワレーの描く世界は、モダンであり、素朴であり、刺激的であり、美しかった。

現代の多くの芸術家(またそれを見る者)が持つある種のひ弱さや繊細さを超えた所にある強力な精神的パワーを感じさせられた。

やはり、パワーの在る画というのは魅力的だ。単に美しいだけでなく、新しい力を得ることも、画を見に行くことの楽しみでもある。

Img_modigliani 第四位 「アメデオ・モディリアーニ展」 名古屋市立美術館

この時期もう一つの「モディリアーニ展」が東京の新国立美術館で開催されていたが、展覧会の質としては名古屋の方が良かった。

中学生の頃、京都国立近代美術館で開催された「モディリアーニ展」を見て強烈な印象を受けたのが私の西洋画に対する目覚めとなっており、それだけに「モディリアーニ」に対する思い入れは強い。
モディリアーニの魅力が純粋に伝わってくる作品が揃った美術展。
しかし、あの「召使いの少女」の画は良かったなぁ。

Img_miidera_2

第三位 「国宝 三井寺展」 大阪市立美術館

あの「黄不動尊」がこんな感じで見られるとは思ってもいなかった。目の前にあるのですよ!よくぞ出品したものである。それにあの見たかった「新羅明神座像」もぐるっとまわって見られたし。眼福、眼福。
これを拝みに行かなければバチが当たる。

ヨーロッパの絵画や彫刻もすごかったが日本も決して負けてませんなぁ。

Img_kyousai1 第二位 「暁斎ー近代へ架ける橋」 京都国立博物館

良かったですね、暁斎! 私の中ではいろんな事を思ったり、思い出したりした美術展でした。本当に考えさせられました。

画家にとっても江戸から明治に移り変わる時代というのは大変な時代だったのですね。

京博のこの特定の画家にしぼった美術展、若冲、雪舟、蕭白、永徳と来て今回の暁斎、そして次は等伯と続きます。いつも考えさせられる内容ですし、また楽しみです。

しかし、常設展が12月中旬から休館(建替え工事のため)となったのは悲しいなぁ。


Img_boston

第一位 「ボストン美術館 浮世絵名品展」 名古屋ボストン美術館

これはすごかった! 今刷り上がったばかりかと思える状態で次から次へと浮世絵の名品が並んでいた。特に春信の一連の浮世絵と国政の役者絵は浮世絵の美しさ、楽しさを堪能させてくれた。
今年はヴィクトリア・アルバート、ミネアポリスと海外の美術館から多くの浮世絵の名品が里帰りしてきたが、どれもが状態が良いのにびっくり。あらためて口惜しい気がすると同時にどんなもんだい!すばらしいだろうと誇らしげな気になった。(私が何をしたわけではないが・・)

最後に特別賞として一連の京都市美術館で開催された「館蔵 コレクション展」をあげたい。
年に4回ほど開催されるこの美術展、京都画壇の画を愛する者としては、ここに出品される画は心をなごませるし、画を見る楽しみを実感させてくれる。初期の頃と比べると展示の内容や解説も年々良くなっており、2度3度の画も多くなってきたが行くのが楽しみな美術展である。企画される人達に感謝をこめて「特別賞」。
できれば常設にしてもらえたら嬉しいのだが・・・・。

思えば今年は東京で「対決ー巨匠たちの日本美術」「大琳派展」「フェルメール展」「ピカソ展」と魅力的な美術展が開催され、京都在住の者としてはくやしい気がしていたが、こうやって1年を振り返ってみると、関西(名古屋も含んで)でも見応えのある展覧会が開かれていたことが思い返される。

私にとっては今年も良い画や美術品が多く見られた満足の1年でした。 

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2008年8月11日 (月)

「2つのモディリアーニ展」

モディリアーニの展覧会が近畿で2つ同時に開催されていた。

Img_modhi1_31つは名古屋市美術館開館20周年記念として春先は名古屋で開催されていたのが、姫路市立美術館に巡回し、3日まで開催されていた。そして24日からは岩手県立美術館に24日から巡回して行く。
もう1つは日本経済新聞社主催で国立新美術館で開催されていたものが大阪の国立国際美術館に巡回して来ている。

モディリアーニ・フリークならともかく、普通一般の我々にはどちらの展覧会に行くべきか悩んでしまう所である。どうせ絵を集める努力をするのだったら、1つにまとまってくれたらいいのにと思う気持ちが本音だろう。

この2つの展覧会、名古屋と大阪で見たのだが・・・。

名古屋の展覧会は、主催する名古屋市美術館がモディリアーニの優品である「おさげ髪の少女」を所蔵しており他の美術館に貸出し等も行っている関係からか、50点くらいの作品数だが、世界の多くの美術館から優品が集まっている。美術展の構成もオーソドックスな構成で、モディリアーニの全般について見られる様になっている。私にとっては規模といい、内容といい見やすい展覧会であった。


Img_modhi2大阪の展覧会は「et le primitivisme」という副題がついているように、「原始的芸術」(私自身はこの原始的という言葉は嫌いだが)とモディリアーニの関係をあぶりだそうとしている内容だった。

展覧会の構成も、その趣旨に沿ってきっちりと説明や展示がなされているが、見ていてその趣旨に納得いかない部分がでてくる。この時代の絵画には多くの画家に「原始的芸術」の影響はみられ、特にモディリアーニに限ったことではない。後期の肖像画なんか見ていると、逆にそこから抜け出た所にモディリアーニの良さが有る様に思う。

見終わって気付いた事だが、この美術展1年程前、大阪の大丸で開催されていた「ジャンヌとモディリアーニ展」に出品されている作品と多くの作品がかぶっている。「国内最大のモディリアーニ展」とキャッチフレーズにある割には、多くが素描であり油絵は3分の1程。その多くがまだ記憶に新しい昨年の展覧会とかぶっているとなると、何の目的が有りこの時期に同時に開催する意図があるのだろう。

多分、この2つの展覧会、企画は名古屋の方が早かったと思う。日本経済新聞社の企画が動き出した時には望んだ作品は名古屋が押さえていたのが現実だろう。あわてて1年前の展覧会のために、名古屋のリストからはずれていた作品を集めたのだろう。新国立美術館と日本経済新聞社の体面がこの企画押し進めた。

思えば、見る側(お客)の事は考えてない企画である。このような展覧会を続けていると美術館へ足を運ぶ人を減らす事になる。異常に混み合った美術展も困るが、需要が無ければ美術展も減り、見たい絵を見る機会も減ってしまう。困ったものである。

「文句があるなら、見に来なくてもよいですよ!」と言われればそれまでだが、キュレータや主催者は、もうすこし見る側のことを考えてもらいたいものである。

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2007年12月31日 (月)

大晦日

今年も後数時間で終わろうとしています。

Img_4610居間の方からは「紅白歌合戦」歌声が聞こえてます。「紅白」って懐メロの特集みたいですね!。しかし見てはいられない!。今年中にやっておかなければならないことがある。

一応美術関連を中心に書いているブログだから、今年の見に行った美術展のベスト5を書かなくっちゃ。

今年も、台湾の故宮博物院から東京の美術展、そして勿論京都を中心とした関西の美術展とよく見にいった。

思わぬ所で心を奪われる様なものに出会う事も有ったし、期待して見に行ったががっかりして帰って来たものもあった。

そんな中から今年のベスト5。

第5位 「安宅英一の眼」大阪市立東洋陶磁美術館
安宅英一の持つ眼の確かさと、美に対する気持ちに改めて嫉妬する。
しかしこのコレクションが散逸しないでよかった。

第4位 「パルマーイタリア美術、もう一つの都」国立西洋美術館
隣で開催されたいた、「ダヴィンチ展」よりも展覧会としてはよかった。コレッジョ、パルミジャニーノ等のすばらしい絵、そしてパルトロメオ・スケドーニという画家を知る事が出来た。他のスケドーニの絵を見にパルマへの遠征も考えてる。

第3位 「狩野永徳展」京都国立博物館
10年間ほど前、「上杉本 洛中洛外図」を見て「洛中洛外図」の追いかけが始まった。そう言う意味では感慨深い展覧会。「唐獅子屏風」もよかったなぁ。しかし、聚光院から襖図がなくなったのはさみしいなぁ!

第2位 「若冲展」承天閣美術館
生きている間に、この絵がこのようにもう一度並ぶ事は無いと思う。そういう意味では見納めの展覧会。やはり、有るべき形で有るべき場所で見るということの重要性を感じさせられた美術展。若冲追いかけて来てよかったとしみじみ思った。

第1位 「美麗 院政期の絵画」奈良国立博物館
はっきりいって、第1位から第3位までは順位が付けにくかったが、一番空いていた点で第1位。じっくりとみられた。その分印象は強い。しかし、すばらしい展覧会であった。私にとっては新しい課題をもらった。日本人の美意識はすばらしいですね。


特別賞 「大観」 故宮博物院。
汝窯の青磁。すばらしかった。あの「雨過天青雲破所」といわれる青は眼の奥に焼き付いている。(その為、12月にも行ってしまった。) あれ以降、同じ様な色を空に捜すことがある。ありますよ! たまにですが空の一角があの青に染まっている事が!

こうしている間にも「紅白」は後半戦に入った模様。新しい年も、もうすこしですね。

このブログを読んでくださる皆様、またコメントをいただいた皆様、今年一年ありがとうございました。
来年も宜しくお願いします。良いお年をお迎えください。

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2007年11月25日 (日)

MIHO MUSEUM

滋賀県の信楽の山中にある「MIHO MUSEUM」が設立10周年を迎えた。

今から8年程前、この美術館で開催された信楽の壺の展覧会「壷中の天」で初めて訪れ、信楽の壺にも衝撃を受けたが、同時にこの美術館の持つ雰囲気のすばらしさにも魅了された。

それ以降、展覧会はともかくこの美術館の雰囲気を味わうために何度となく訪れている。

この美術館の設計者はI.M.ペイ。ルーブルのガラスのピラミッドで有名な「グラン ルーブル」の設計者である。鉄骨とガラスを多用したデザインを得意とする。

京都から約1時間、狭い山道を抜けてやっとエントランスに到着する。そこには円形の広場とその周りをとりまく半円形の建物ある。ここはチケット売場とこじんまりとしたカフェ。美術館へはここから電動カートに乗って行くか、歩いて行く。この時点から、訪問者はペイの術中にはまって行く。

Img_4182Img_4184

道はまず紅く色付いた桜並木の中を進む。暫く行くとトンネルにあたる。明るい外からトンネルの中にはいると一瞬まっくらになるが、目が慣れるとトンネルのなかは微妙な明るさである事に気付く。ステンレスのような内壁にぼんやりとした光が反射している。
トンネルを抜けるとそこには吊り橋が有る。銀色のワイアーでつるされた小さな斜張橋である。
此の橋をゴトゴトと渡って行くとそこが本館である。

Img_4268Img_4256

パンフレットによるとペイはこの美術館を「桃源郷」としてとらえていた。桃源郷といえば仏教で言う所の「浄土」。そうすればトンネルは浄土への道であり、橋の下の谷は三途の川。
だから、本館は古寺の門のような形をしている。

Img_4202Img_4206

本館に入ると正面はガラスの壁面で、その向うには信楽の山々が大きく広がっている。
まさに「桃源郷」の景色である。また同時に「浄土」でもある。
その証しとしてこの館には、エジプトの神々や、ガンダーラの仏、そして日本の菩薩もおられる。

Img_4286

建物はこの入口から南ウイングと北ウイングに分かれて行く。南ウイングには世界の美術品が、北ウイングには日本の美術品が並んでいる。
この建物は3層の構造となっているが、その80%は地下に埋まっている。地上への露出を極力抑える事でこの信楽の自然との調和を保とうとしている。そして露出した20%はペイ独特のガラスに覆われており、開かれた壁面から光が降り注いでいる。

本当に柔らかな光に満ちた空間である。日本の陰と陽が混ざりあう空間ではないが、「桃源郷」としての明るさに満ちた空間である。

Img_4251Img_4276左は南ウイングの吹き抜けにあるレストラン。ここのパンがおいしい。

右は途中の道で見つけた紅葉。周りの木々も光に溢れてます。

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2007年1月 8日 (月)

京都国際マンガミュージアム

去年の秋に開館した「京都国際マンガミュージアム」へ行って来た。
新しいミュージアムということで、どの様な試みがされているのか興味を持っていた。
しかし、対象がマンガということで具体的に何が展示されているのかは想像がつかない。

Img_9311ミュージアムは烏丸御池の北西にある。建物は廃校となった「龍池小学校」を利用してつくられている。
烏丸通に面したスロープを上がった所が入口。以前の校庭は芝生が張られた広場となっている。
建物は明るい黄土色に塗り替えられ、東側にガラス張りの吹き抜けが新たに作られている。しかし、基本的には龍池小学校の旧校舎をそのまま利用している。だから、階段や一部の廊下は昔懐かしい油引きの板敷きであり、昭和40年代から50年代の小学校の面影が残っている。
廃校にされた小学校の再利用の時に、京都市がとる改築方法として、このマンガミュージアムと室町錦の元明倫小学校にある「京都芸術センター」がよく似ている。
なかなかノスタルチックで洒落ている。
この様な方式であれば、旧学区の人からもあまり文句はでないだろう。

さて入館。まず入口の自動券売機でチケットを購入。大人500円、小学生は100円。このチケットで一日何回も入館可能となる。しかしこのチケットまるで無愛想。地下鉄の切符を大型にした様な物。もうちょっとデザインを考えたらと思う。

内部の廊下の壁面はすべて、マンガが並んでいる。1階は少年マンガ、2階は少女マンガ、3階は青年マンガがズラーッとあいうえお順に並んでる。その数は万を超える册数だろう。ここに並んでるマンガはすべて読む事が可能。しかし、座る席が少なく(一つの階に十席程度)皆さん壁にもたれたり、廊下に座り込んだりして読んでいる。暖かくなれば、芝生の上で読む事も出来るのだろうか?
しかし、ちょっと異様な雰囲気。(コンビニの前に座り込んでいる風景を思い出した。)

旧の教室では、企画展をやっていた。
現在行われているのは「世界のマンガ展」。
これは3部構成で、まず、各国のマンガ雑誌の展示(手に取って見られる)。各国それぞれ特徴があり面白かった。アメリカにはアメリカの、フランスにはフランスの感じがやはりマンガの世界にもあった。
続いて日本のマンガの歴史。鳥獣戯画から始まり、現行のアニメまで。最後に京都国際漫画展の入賞作品の展示。そこに展示されているのは風刺漫画。しかし、時間がすぎると風刺漫画のインパクトが欠けてくる。やはり、こういう作品は旬の時に見るのがベスト。
それと、「龍池小学校」の歴史を展示した部屋があった。校長の古めかしい写真や過去の行事の写真が展示されていた。この部屋には、ずーっと「龍池の子等は〜♪」という校歌が静かに流れていた。

Img_9313マンガは今や世界に誇る日本の文化になっているそうだ!
しかし、私にとってはマンガはあくまでも消費されるものだと思っている。その消費性がマンガの面白さでもあり、マンガが時代性を持ち続けていける秘訣だと思っている。その時代との同時性が、マンガが世界で受け入れられる理由であろう。また、マンガには上品とされるマンガから、エロ・グロにあふれたマンガまである。このように広範囲で、種々雑多で、スピードにあふれたものをミュージアムとしてまとめるのは大変なことだろうと思う。ミュージアムとしての権威付けがかえってマンガの良さをつぶすものになるのかもしれない。また、図書館や他の美術館との連携も今後は必要になるだろう。

そのような事を考えると、今後のこのミュージアムの将来に不安を感じるし、また期待も出来るものである。生活地域にできたミュージアムとして今後も見続けていたい。

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2006年12月20日 (水)

今年の美術展ベスト5

さすが師走となり、公私とも忙しくなってきた。
仕事のほうでも年末が期日のものがいくつかあり、その準備に京都から出たり、戻ったりの繰り返し。そして、空いた夜は忘年会。
と言う事を理由にして、しばらくブログが更新できませんでした。
そこで、今年も残り少なくなったので、ジャジャジャーン!!(私の)「今年の美術展のベスト5」を発表します。

第5位! 「エッセンシャル ペイティング展」
国立国際美術館  10月3日〜12月24日
90年代以降のヨーロッパとアメリカ絵画の作品展。抽象から具象への方向性の中で、色々な作家の作品が出展されており、面白かった。やはり、同時代を生きている作家の感覚には、親近感を感じる。そのような意味では、気持ち良く鑑賞できた。
また、国立国際美術館の建物(設計:シザー・ペリー)もなかなか見応えの有る物です。

第4位!! 「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」
京都国立近代美術館 9月23日〜11月25日
若冲だけではなく、芦雪、抱一、基一等の江戸時代の作品が有り見応え充分。しかし、収集した時期を考えるとよくぞここまで集めたものだと感心する。個人のコレクションであるため、芦雪はあっても、応挙は少ない等偏りはあったが、すばらしい美術展であった。
また、見る側にたった展示方法は、今後の美術展の在り方に問題を投げかけたものであった。

第3位!!!「京焼ーみやこの意匠と技」
京都国立博物館 10月17日〜11月26日
これを企画した京博の人達に敬意を表して第3位。今まで見たものも多かったが、京焼の集大成的な美術展。特に、高橋道八、奥田穎川、青木木米等、見られそうでなかなか見る機会の少ない名人達の作品が見られたのは良かった。これと同時期に楽美術館での「光悦と楽道入展」が開催されており、皆さんこの二つに美術館を行ったり来たりしていた。

第2位!!!!「応挙と芦雪」
奈良県立美術館 10月7日〜12月3日
これは追いかけていた作品がズラ〜ッと並んだ美術展。特に芦雪、無量寺の作品群が見られたのはうれしかった。応挙に関しては、今まで持っていた印象がすっかり変わってしまった。しかしこの二人は面白いですね。この美術展のサブタイトルに「天才と奇才の師弟」とあったが、まさにピッタリのネーミング。
そのなかで思ったのが、日本画における「写し」という問題。弟子は師匠の手本を写すという方法論。来年はこの辺をもう少し考えて行きたいと思います。

(パンパカパ〜ン)
第1位!!!!!「江戸の誘惑」
神戸市立博物館 4月15日〜5月28日
関西にいると浮世絵はなかなか見られない。関東の方へ遠征した時に見に回る位である。肉筆浮世絵もいくらかは見て来たが、じっくりと見る機会は少なかった。しかし、今回この美術展で驚いた!!。本当に素晴らしい作品群である。北斎はもとより、春信、清長、豊春、豊国等に圧倒された。しかも驚いた事に保存状態が非常に良い。色も非常に鮮やかである。さすがボストン美術館である。プライスコレクションもそうだが、これから日本画を追いかけて行くのには、海外まで遠征しなければ全てはみられないなぁという事を痛感させられた。(特にアメリカ東海岸の美術館!)高こつきそう!!
それと、着物の柄がやはり京都と江戸ではちがうなぁ!江戸小紋もしぶいなぁ!
本当に、江戸の色っぽさにまいりました。

今年も、ブログに書いてないのもいれると沢山見てきました。美術館(博物館)の常設展。デパートや企業の美術展、ギャラリー展等。一年を締めくくるにあたって感想としては、気に入った物も有れば、気に入らなかった物も有りましたが、「見てよかった!」というのが本音です。
また、みなさんのベスト5をコメントなんかで教えていただいたら幸いです。

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2006年9月30日 (土)

秋だから美術の勉強でも・・・

今年前半見に行った美術展の中で思いかえすと、「江戸の誘惑」「北斎と広重展」での葛飾北斎、「バーグコレクション」での曾我蕭白、伊藤若冲、「絵巻展」での岩佐又兵衛、「細見コレクション」での伊藤若冲等、江戸時代の『奇想派』と呼ばれる画家達の作品を多く見た。
秋からの展覧会でも、京都国立近代美術館での「プライスコレクション」、奈良県立美術館での「応挙と芦雪展」、来年になるが相国寺承天閣美術館での「若冲 動植綵絵」等、『奇想派』と言われる画家達の作品が続々展示され、特に若冲は異常な人気がある。
Imgkisounokeifu一般に、美術展に行って、実際に自分の眼で作品を見て、その作品の好き嫌いを判断することは重要なことであるが、その画家の生涯や特徴、その絵のいわれ等を知る事も絵を見る上で大変参考になる。
そもそも、江戸時代の『奇想派』という概念は、辻惟雄氏(現MIHO美術館館長)の『奇想の系譜』という本から始まった。その本により、蕭白、若冲等が知られるようになり、2000年の「若冲展(京博)」、それ以降の「蕭白展(京博」「北斎展(東博、京博)」等の大規模展により、その人気が赤丸急上昇となった。
今回、その発起人たる、辻惟雄氏による江戸奇想派の番組がNHK教育TVで放送される。
NHK 教育「知るを楽しむ この人この世界」 午後10時25分〜10時50分

第1回血染めの衝撃 〜岩佐又兵衛10月2日放送
第2回身もだえする巨木 〜狩野山雪10月9日放送
第3回「自己流」の迫力 〜白隠10月16日放送
第4回奇想天外の仙人たち 〜曾我蕭白10月23日放送
第5回絵にしか描けない美しさ 〜伊藤若沖11月6日放送
第6回猛獣戯画 〜長沢蘆雪11月13日放送
第7回天才は爆発する 〜葛飾北斎11月20日放送
第8回機知+滑稽・風刺の心 〜歌川国芳11月27日放送

秋の夜長を、TVで美術の勉強をするのもいいものではないですか!
いまから、楽しみ、楽しみ。

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2006年9月16日 (土)

「三条あかり景色」

三条通の室町通から寺町通までと、三条木屋町にて「あかり」をテーマとした催しが行われている。

Img_8244_1この催しでは、三条通に残る近代建築物のライトアップ、三条通に面した町家やビルの壁面を利用した映像の照射、高瀬川を利用した水と光のアートパーフォーマンスが行われている。
三条通付近はここ15年程で大きく変わった。
もともとレンガ造りの近代建築物が多かったが、それらがほぼ原型をとどめる形で新しく生まれ変わった。西から見ると、旧アメリカ文化センターが文椿ビルヂングに、NTT京都支店が新風館に、旧日本銀行京都支店が文化博物館に、旧毎日新聞社がアートコンプレックスに、その他、中京郵便局、日本生命京都ビルもその形態を残している。
また、河合塾が出来て若い人々が集まるようになり、スターバックス、大垣書店、マクドナルド等も出来てそれに合わせて、新しい感覚のファッション関係や、食べ物屋さんが増えて来ている。
ちょっと三条を曲がれば、町家を利用した店も多く、また、旧来からの老舗の店も多く有る。
新旧の感覚が共生しながら、うまく街の様子を替えて来ている。

Img_8272そのような新しい三条通をより楽しんでもらおうとこの催しは企画されており、今回が3回目となる。

近代建築物は現在の建築物と異なり、微妙は凹凸がその壁面にあり、ライトアップすると影が強調されその様相が大きく変わる。いつも見慣れた建物がまた違った様子で見られ、美しいものである。

映像の照射は、プロジェクターがしょぼいため、なにが写っているのかははっきりとはわからない。そのような意味では、失敗かもしれないが、なにかボヤーッと町家なりビルの壁面に写っているのを見ているのもまたいつもとは異なる空間を見ているようで楽しい物である。

今回、感心したのはコレ!
Img_8281Img_8283

高瀬川で行っていたパーフォーマンスで、川にメッシュ地の布を20枚程並べてつり下げ、それに向かって色んな映像や、デジタル模様を映して行くオブジェである。
メッシュ地のため、光が順々に透過して行き、終わりにはそれが反射・拡散して消えて行く。
川を伝って来る風により布が揺れて、その拡散の効果が微妙に変化して行く。
大変美しいオブジェであるが、同時に、光が揺れながら透過していくなかで拡散し、一枚々の布に写る映像がだんだんとぼやけて行く様子は、見る者に何か大きな流れ(時間かも知れないし、思考かも知れない)の様なものが感じられるものであった。
同志社女子大学のグループによる作品であるらしいが、久しぶりに興奮したオブジェであった。
是非、機会があれば多くの人が見て、色んな事を感じてもらいたい。(他の人がどうゆう風に感じたのか知りたいなぁ・・・)

この「三条あかり景色」は、9月16日〜18日、午後7時〜10時まで開催されています。

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